著作物の違法共有による損害をはっきりさせたい理由

「楽曲や動画の共有について、実際の損失は証明されていない」として、「はっきりしない損失のために共有を禁止することこそ、消費者の利益(あるいは知る権利)を損なう」と主張されることがあります。

IT's my business > 「著作物の共有による損害ははっきりしない」というレトリック

うーん、これは共有の頭に「違法」がつくかどうかで議論が変わっちゃうね。筆者は違法共有のことをさしているようだけど。
このお話は「化粧品の万引き」という例えを用いて、宣伝効果/販売促進効果なんてないでしょ、そういう意見はちょっとおかしくない?という感じの論を展開している。
タイトルから入ってちょっと読むと反発しちゃうけど、それでも違法アップロードが視聴、購買を促進する可能性があるじゃないか、って意見を見ることも結構あるので、こうした議論は必要なのかなとも思う。
ただ、私自身議論の中で、ダウンロード違法化にせよ、DRMにせよ、著作権保護期間延長にせよ、実際にどの程度の負の影響があるのかを示さなければならない(というよりは、プロパガンダのための主張や数字を前面に押し出すな、という感じですが)、ということはよく言う。
まぁ、何でそんなことを言うかというと、こうした対処ってのは、通常の利用をも制限してしまうという副作用が存在するからなのよね。だから、そのような対処の有効性を判断するためには、その対処がどの程度負の影響を抑制するのか、ということと、それによって生み出される副作用はその効果と見合ったものなのか、という次元で考えないといけない。
例えを使うことはあんまり好きじゃないけど、この話で言えば、「化粧品店に入ると万引き犯扱いされる」から行くのが怖くなる人もでてくるかもしれないよ、とか、実際に万引き犯にされてしまうかもしれないよ、とか、そうした状況を望んでいない化粧品店でも「ここに入ると万引き犯扱いされちゃうんだな」と思われることで客足が遠のくかもしれないよ、とかそういう反発のほうが多いと思うけどね。