中国:海賊業者がオンラインでの販売に移行中

中国などでは映画や音楽の海賊版をインターネットを通じてデータで送って販売する手口が増えていることから、去年1年間にDVDなどが押収された数は前の年の半分に減少したことが、ジェトロ日本貿易振興機構のまとめでわかりました。

NHKニュース 海賊版データで販売 押収半減

このジェトロは中国などの捜査機関にセミナーなどを開くことで、取り締まり強化を支援していたらしくって、その甲斐あって中国での海賊版販売業者の摘発が、前年より12%増の2192件と増やした。ただ、押収点数は52万2407点、金額にして6億7900万円相当と前年の半分程度に落ち込んだ。その理由としては、業者が在庫を抱えることはせず、インターネットでのデータ販売、注文時に複製するなどの手口に移行しつつあるためなんだとか。
それでも、実際には摘発件数が増えているので、前進はしているんだろうなぁとは思う。ただ、気になるのは

「インターネットを通じた販売は、海賊版を複製するよりコストがかからず、誰がやっているのかがわかりにくいため、どんどん盛んになっている。違法業者が横行しないよう取締りの強化を働きかけていきたい」

というジェトロの発言で、確かに摘発件数が増えても、増加率を考慮したときにどうなのか、ってところも考えなきゃいけないだろね。もちろんジェトロとしては、もうこれでOKっすなんてことは言えないから、ネガティブな情報もいれとかないといけない部分もあるんだろうけど。
ただ、海賊版業者にとって、インターネットへの移行ってのは、違法ファイル共有がこれだけ盛んになっていることを考えると、ジリ貧でしかないってところもあると思う(参考:P2Pファイル共有が海賊業者を駆逐する:ある海賊業者の告白 - スポンサー広告ネットと著作権 著作権のいま)。
もちろん、それが解決になるわけじゃないんだけどね。結局は、違法ファイル共有の問題が残るわけだしさ。