EMI、大規模な音楽事業の再編の乗り出すもアーティストからは不満続出、Rolling Stonesも移籍の噂

 英EMI Groupは英国時間1月15日,レコード音楽事業の再編計画について明らかにした。1500〜2000人の人員削減を含むリストラ策を予定しており,「アーティストの立場を考慮し,消費者を中心に考えた革新的な音楽会社になるための立て直しを図る」と説明している。

EMIがレコード音楽事業のリストラ策を発表,1500〜2000人を削減へ:ITpro

Terra Firmaに買収されたEMIがTerra Firmaの方針にのっとってリストラを断行するとのこと。

 また同社は今後半年間に,制作および宣伝(A&R)部門に注力し,全アーティストの才能を最大限に引き出すことに努めるほか,スポンサシップ契約やデジタル・サービスの強化によりアーティストと透明性の高い信頼関係の構築を図る。また,販売,マーケティング,製造,配給を単一部門に統合し,グループ内のプロセス合理化を進める。

デジタル時代への積極的な適応といった一部の点ではアーティストの意識とも重なっている部分があるのだけれども、音楽部門の縮小等に関してはアーティストから強い反発を受けており、最近ではColdplayやRobbie Williamsの離脱も噂されている。また、RadioheadPaul McCartneyといったビッグネームが既にEMIを去っている。現在のEMIを立て直すためには、積極的な事業の見直しが必要なのは事実でもあるのだけれど、その一方でその事業に必要不可欠なビッグネームを失いつつあり、舵取りを誤れば一気に奈落の底へ、ということにもなりかねない。
多くのビッグネームが離脱していく中、EMIがThe Rolling Stonesをも失うのではないかとの噂(Universalからワンショット契約でサントラのリリースを発表、EMIとの契約が切れる2008年中にUniversalへの移籍もありうるのでは?、とのこと:THE ROLLING STONES、映画「Shine A Light」のサントラを所属レーベルのEMIではなくユニバーサルからリリース - bounce.com)もあり、あちらを立てればこちらが立たず、という状況が続きそうだ。