ネット配信がテレビを変えるのは、「テレビ向け」無料オンデマンドサービスが普及してからじゃない?

 なぜ民放各局は、ネット配信に及び腰なのか。

 各局が真っ先に挙げる理由は「著作権処理が難しい」という点だ。放送ではなく、インターネットで送信するには新たな権利処理が必要になる。

 しかし、「最近の作品はネットへの送信権をあらかじめ設定している例が多い」(民放キー局)といい、ネット配信への備え自体は進んでいる。

 結局、民放各局の本音は「本来の番組の視聴率低下でCM収入が減るのが怖い」(メーカー関係者)だ。全民放でCM収入は年に約2兆円。ネット系企業などに流れるのを警戒しているという。

asahi.com:ネット配信、テレビ変える 民放、CM収入減に及び腰 - ビジネス

日本の放送局としては、インターネットを利用したテレビ向けビデオ配信をケーブルテレビと同じような扱いにしたいんだろうね。もちろん、配信が有料VODサービスだけで行われていけば、そうした状況は作り出されるのかなとは思う。ただ、BBCのiPlayerや米国ネットワーク各局が狙っているような、「テレビ向け」無料VODサービスが普及し始めれば、日本の放送局も否応なくネット配信に乗り出すことになるだろう。パイが奪われないと動かないだろうしね。NGNがそのきっかけになればいいとは思うけれど、とりあえず今すぐに、という感じでもなさそう。
有料VODサービスを腐すような言い方をしているかもしれないけれど、有料VODがうまくいくとしたら、映画とか普段ビデオでレンタルしているようなものじゃないと難しいかなと思う。少なくともテレビ番組の場合は、オンタイムで見ていれば、または録画していれば、無料だったのに、なんでインターネットで見るときだけ金がかかるんだ、ということにもなりかねない。もちろん、それでも見たいという人もいるんだろうけど、そうした一部の層を相手にするよりなら、より広範な対象をターゲットにしたほうがよいかなと。
あとこうした議論でしばしば思うのだけれども、ネット配信と一言でいっても、テレビ向けorPC向け、有料or無料、有料でもサブスクリプションorアラカルト、購入orレンタルなどなどさまざまな切り分けが必要かなぁと。

テレビはインターネットがなぜ嫌いなのか

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