Google、中国にて無料音楽ダウンロードサービスを計画、Baiduに対抗?

 ウェブ検索最大手のGoogleは、中国のオンライン音楽配信企業と提携し、無料の音楽ダウンロードサービスを提供することで同国でのプレゼンスを高めることを計画している。The Wall Street Journalが米国時間2月6日伝えた。

グーグル、中国で無料音楽ダウンロードサービスを計画か--米報道:マーケティング - CNET Japan

現在、この計画は詰めの段階にあり、世界規模のレコード会社3社、多数のインディペンデントからの楽曲がにアクセスできるとのこと。サービスは数週間のうちに開始される可能性があるという。
これが実現すれば、チャイナプロキシor迂回サービスでひと稼ぎできそうだわね。
それはともかくとして、中国検索エンジン市場では、ダブルスコア以上の差をつけられてBaiduにビハインドを食っているGoogleだけに、Baiduの武器の1つでもある「音楽サーチ機能」に対して、この音楽配信サービスをぶつけたいところなのだろう。Baiduの音楽サーチ機能は、Web上に存在する音楽ファイルへのダイレクトリンクを提供しているだけに過ぎないので、カタログにばらつきがあるし、そのダウンロード速度も保証されているものではない。そういった、未だ不安定な状態にあるBaiduの機能に対して、全うなサービスを提供できれば、その武器の1つを弱めることができると考えているのかしらね。
もちろん、こうした動きは中国国内でのオンラインミュージック市場の大半を海賊行為にもって行かれている音楽産業にとっても、それほど悪いものではないのだろう。広告料の折半でも、Googleからのライセンス料でも、タダで利用されるよりはマシなのかもしれない。
また、こうしたGoogleの動きに呼応しているのかどうかはわからないが、IFPIに代表される大手レコード企業3社が再びBaiduを著作権侵害で提訴している。

 今回提訴したのは、Universal MusicSony BMG Music Entertainment、Warner Music Hong Kongの3社。百度では、検索結果を数十万にわたる楽曲をホスティングするサードパーティーのサイトへ違法にリンクしているが、3社はこれを削除するように求めていた。

大手レコード会社3社、中国最大手の検索エンジン「百度」を著作権侵害で提訴:ニュース - CNET Japan

ちなみに、EMIがこれに参加していないのは、EMIが既にBaiduでの音楽ストリーミング事業の立ち上げに合意しているから、かしらね。
残りの3社にとっては未だににっくきあんちくしょうなわけで、最初の裁判でも敗北続く控訴審でも敗北しており、何とかしたくてしょうがないところだろう。ただ、暗いニュースばかりではなく、つい最近、同様の音楽サーチ機能を持つYahoo! Chinaに対する訴訟には勝利しており(上記CNETの記事によると、依然としてサービスを提供し続けているようだけれど)、今度こそという意気込みが伝わってくる。
もし、これに勝利すれば、音楽産業にとってもGoogleにとっても望ましい結果が得られるのだろう。

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