NHKオンデマンド:見逃し番組、過去アーカイブをネット配信

 NHKが12月に始めるインターネット経由での番組有料配信サービスの詳細が明らかになった。CATV最大手のジュピターテレコム(JCOM)や家電各社が出資するネット配信会社などと提携、人気ドラマなど約20の番組を放送翌日から最大10日間配信するほか、過去の人気番組約1000作品も提供する。4月の改正放送法施行でNHKの配信事業が解禁されるのに伴う新サービスで、放送番組の本格的なネット配信は国内初となる。

NHK、放送翌日にネット配信――「朝ドラ」など有料で10日間インターネット-最新ニュース:IT-PLUS

売りとしてはどちらが強いんだろう?見逃し需要に関してはHDDレコーダーなどがあれば事足りるわけで、お金を払ってまでそれを利用したいか、というとそこまでじゃないよ、というところもあるかもしれない。特にカタログが20作品と限られているうちは、そうやすやすとはお金を支払ってくれるとも思いがたい。これが1クール、半年、1年ともなれば話は変わってくるのだろうが、10日間では本当に見逃し需要に応えるというところでしかない。見逃し需要に関しては、期間の設定1つで、ユーザからの魅力は変わってくるだろうなぁと思うのだが。
また、過去のカタログに関しては約1,000作品とのことで、カタログとしては少ない感はある。が、その辺は徐々に改善されていくのだろう(と期待したい)。ぜひとも池田信夫「NHKオンデマンド」の幻想 - 池田信夫 blog )の鼻を明かしてもらいたいものである*1
ちなみに、番組の有料配信はiTunesBitTorrent.comでも行われていたのだけれど、残念なことにそれほど成功してはいない。それゆえ、米国ネットワーク各局は自社サイト内での無料配信や、Huluのようなコングロマリットな無料ビデオ配信プラットフォームを構築したり、iTunesのように低価格の有料レンタルという形に移行しつつある。もちろん、アラカルトにせよ、サブスクリプションにせよ、失敗だと決まったわけでもないし、現在の方向性が正しいというわけでもない。ただ、少なくとも現状では有料モデルは受け入れられにくいようだ、ということは何となく広まりつつある。この辺はデバイスの変化が必要になるところもあるだろうし、一概にこうすればよくなる、というものでもないだろう。
閑話休題。もちろん、NHKとしても使ってほしくないから作品数を少なめにとか、有料にしようとかいう制限をかけているわけでもないだろうが、いずれにしてもこの状況ではそれほど成功を収めるようにも思いがたい。ハイビジョンで配信というのも、うたい文句としてはいいのだろうが、実際の利用者がそれほど見込めないことを考えると、うまくいくんだろうかと心配になるところもある。
自由奔放なBBCとは対照的に*2、内側からも外側からもいろいろと大変そうなNHKがオンラインにようやく乗り出す、というのはそれはそれで歓迎したいところではあるけどね。
ちなみに、自由奔放なBBCはこんなんなってます。

*1:ほれ、言わんこっちゃないという展開になりそうではあるが

*2:BBCがフリーダムってわけじゃないが