プロコルハルム、メンバー間の著作権裁判に判決が下る

60年代に"A Winter Shade of Pale(邦題:『青い影』)のヒットを飛ばしたProcol Harum、その代表曲である"A Winter Shade of Pale"の著作権をめぐって、メンバー間での裁判が行われていた。
2005年、元メンバーであるオルガニストのMatthew Fisherが、この同曲の著作権は自分にもあるのだと主張し、ボーカリストのGary Brookerらを相手取り、作曲者としての印税を求める裁判を起こしていた。その根拠としてFisherは、同曲のオルガンのメロディラインは自分が作ったものだとしている。確かに"A Winter Shade of Pale"という曲は、オルガンがあってこそ完成したであろう20世紀の名曲である。あくまでも私の主観ではあるが。
この裁判では、2006年12月ロンドン最高裁はFisherの主張を認め、彼に同曲の40%の権利があるとした。Brookerはこの判決を不服として控訴していた。
本日、BBCが報じたところによると、ロンドン控訴審はFisherがオルガンパートのテーマに貢献したことは認めたものの、権利の主張に関しては認めず、同曲の著作権はBrookerにあると判決を下した。Fisherには過去においても、未来に渡っても著作権使用料を受け取る資格はないとした。その根拠として、楽曲が録音されてから、38年の時間が経過しており、彼が著作権を主張するには『致命的に遅延』しているという。裁判官はそれまでの期間黙認してきたものを、ある日突然このような主張をすることで権利を要求するというのは、不合理で不公正なものだと述べている。
Fisher側は遅延の理由を、権利を主張することで彼がバンドにいられなくなるために言えなかったのだという。ただ、彼が脱退したのは1970年位だったと思ったけどなぁ。
にしても、Procol Harumにとって、この"A Winter Shade of Pale"という神がかり的な名曲を生み出したことは本当に幸か不幸か判断がつかない。今の時代になってなお残り続けるその名前は、まさにこの曲のおかげでもあるのだけれども、個人的にはこの曲なくしてもすばらしいグループだったと思っている。ただ、なかなかそこに光が当たることはないよね・・・。本当に残念だ。

A Whiter Shade of Pale

A Whiter Shade of Pale