Sony BMG、Nokiaの音楽聴き放題のデバイス販売"Come With Music"に参加

Nokiaの"Come With Music"にSony BMGが参加するとのこと。

HELSINKI (Reuters) - Nokia will offer free 12-month access to music from artists of Sony BMG, the world's second-biggest label, to buyers of its particular music phones, the world's top cellphone maker said on Tuesday.

Nokia signs Sony BMG for free music offering | Technology | Internet | Reuters

開始は2008年後半からを予定しているそうだ。
この"Come With Music"というのは、Nokiaが提供している音楽サブスクリプション込の携帯電話デバイスの販売手法。この"Come With Music"デバイスを購入したユーザは12ヶ月間、音楽を好きなだけダウンロードすることができる。現在のところ、Total Musicという月額5ドルで聞き放題を謳うUniversalのサブスクリプションサービスと提携して、Universalのコンテンツを提供している(参考:Ars Technica)。これにSony BMGが加わる格好だ。
利点としては、デバイス代に込みになることで、デバイスメーカーとしても販促に役立つということもあり、より安価に提供されるということだろうか。一応、DRMはかけられているんだけれど、サービス提供期間の12カ月を超えても楽曲を聴くことはできる。ただ、Nokiaのデバイス以外のデバイスでは利用できない*1
Nokia側はこれからも、メジャーレーベルとの提携を進めていくとしている。また、CNETによるとサブスクリプションサービスに加えて、アラカルトのダウンロード販売も予定しているようだ。
まぁ、この辺の動きは、音楽ビジネス全体の大きな変化を示しているのだろう。少なくとも、パッケージだけに頼る戦略だけではジリ貧であることは、だれの目から見ても明らかだろう。もちろん、彼ら自身の目から見ても。そうしたとき、このようなデバイスとの抱き合わせ的な販売手法はビジネスとしては悪くないかもしれない。
ただ、個人的にはこうした話を聞くと音楽税の話を思い出してしまうんだよね。もちろん、ISPが徴収するのではなく、デバイスからの徴収になるわけだし、まだ選択肢としてありかなぁとは思うんだけど、今後こうしたデバイス+サブスクリプションという手法が一般的になってきたときに、インディペンデントなアーティストたちはどうしていけばいいのだろうか、と思わずにはいられない。
非競争的だ!と訴えるにも、金も力もないし、サービスが一般的になればユーザの支持も得られなそうだしなぁ。まぁ、パッケージを脱却したという点では評価できる動きではあるんだけど、心配も尽きない。それでも実際こういうサービスがあったら個人的にはとても魅力を感じちゃうんだけどね。

*1:iPodはもちろん、他の携帯デバイスでも