NHKアーカイブス・オンデマンドの詳細とその先行きの暗さ

NHKが今年中に開始を予定しているオンライン配信サービス、NHKアーカイブス・オンデマンド」に関する詳細が説明されたとのこと。

サービス開始時のコンテンツは1000本程度となる見通しで、9月にも正式にラインアップを発表する計画。地上波放送を見逃した視聴者向けにコンテンツを配信する「見逃しサービス」についてはニュース、情報番組系が中心となると見込みで、ドラマなどの配信は未定。また、料金体系は番組ごとの課金ではなくパッケージ販売が主力になる予定で、金額は「正式には決まっていないが、月額1500円程度を見込んでいる」(木田氏)とした

NHKの過去番組配信、月額1500円で情報番組中心に:ニュース - CNET Japan

アーカイブのカタログは1,000本、見逃し対応はニュース、情報系がメイン、そして月額1,500円。うーん。
方針としては、受信料とは別に、サービス利用料金のみでこのサービスにかかるコストをまかなうため、権利処理のためにかかる費用も利用料金から捻出することになるとのこと。いろいろな制約があり、「当面は赤字の苦しい事業になる」ということもわかる。
ただ、残念だけどそれでは現実としてはうまくいかないだろうと思える。単純にカタログが少ないし、その割に料金が高い、それだけの理由だけど。いつでも見れますよ、と言われても、アーカイブ1,000本のうち、是非見たいというのは100本もあればいい方だろうし、そうした番組をある程度見終えたら、よほどNHKが頑張ってカタログを拡充しない限りは、見逃し需要に対するデマンドがあるかどうか、というところが重要になる。しかしその見逃し需要といってもNHKのニュースや情報系番組がメインとなるようで、そうしたものを渇望する人たちがどれほどいるのだろうという疑問もある。このサービスを継続して利用する利用者像があまり想像できない。
開始当初に是非このサービスを利用したい、という人はそれほどいないだろうし、継続してこのサービスを利用するメリットもそれほどなさそうだ、ということを考えると、出だしから低空飛行を続けて、次第に降下を続ける、という感じじゃないかなと。よほどのテコ入れがない限りは、単独のサービス提供だけでは厳しいだろう。
こうした定額オンデマンド配信がそれほどない状況が続けばまだいいのだろうが、そうしたサービスがそれなりに増えてくれば、それぞれのサービスに個別に1,000円だの1,500円だのを払うというのは、利用者としては考えてしまうところもある。
いつか、単独で自社コンテンツの有料配信を続けることに限界を迎える時が来ると思うのだけれど、そうした状況をどう打開していくのか、ということは今から考えておいて損はないだろうなぁと思える。