日本じゃ違法ファイル共有ユーザに対する民事での追及ってほとんどないよね
前回のエントリのはてなブックマークにてid:mohnoよりいただいたコメント。
mohno よいまとめ。米国の方が著作権侵害に厳しい一面ですね。日本でも懲罰的賠償金を導入して、民事にまかせるってのはあるんじゃないかと思います。
懲罰的な部分が必要かどうか、という点は抜きにしても*1、違法P2Pファイル共有ユーザに対する民事での追及はあまり行われていないように思える。前回のエントリでも書いたけれど、米国の場合には全く逆で数万件といわれるユーザの追及のほとんどすべてが民事。もちろん、営利でなければ刑事的な責任を問えない、という事情もあるのだろうけれど。
法律に詳しいわけじゃないけど、少なくとも日本では「できない」というわけじゃないと思うのよね。実際、私が記憶している中でも、P2Pファイル共有に絡んで、民事での追及が行われているケースがある*2。
おそらくはIFPIの世界規模でのアンチパイラシーキャンペーンの一環なのだろうが、2004年から2005年にかけて、RIAJはWinMXを利用したとみられる違法ファイル共有ユーザの情報開示を各ユーザのISPに要請し、それを情報をもとに接触し、和解に至っている。
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個人的には、追跡手法などの妥当性という点で問題視しているものの、違法P2Pファイル共有に対する民事での解決という選択肢自体は否定しうるものではない、と考えている。
現在では、違法P2Pファイル共有ユーザに対する追跡というと、その大半が刑事事件として扱われるんだけど、なぜ民事での追及を行わないのだろう、という疑問がないわけではない。藪蛇を避けたいのか、それともそこまで直接的に対峙したくはないのか、その辺はよくわからないけど。ご存知の方、いらっしゃいます?