Goolge vs. Viacom、YouTubeユーザ情報の匿名化で合意

GoolgeがViacomに対してユーザのIPアドレス等を含むYouYubeユーザログを提出するよう命じられた件の続報。

Googleは米国時間7月14日、YouTubeのブログ投稿の中で、YouTubeViacomに開示する重要なユーザー情報を記録から編集することを認められることになると述べた。

Viacomとグーグル、YouTubeのユーザー情報匿名化で合意:ニュース - CNET Japan

とのことで、GoogleからViacomに提出されるYouTubeユーザアクティビティに関連したデータには、ユーザをアイデンティファイすることができる情報が含まれないことになった模様。
当初の裁判所命令では、IPアドレスを含む情報の提出を求めるものであったために、各所でプライバシーに関する議論が巻き起こり、一部ではViacomに対する不信感まで表明されていた。

TechCrunchなんかは返す刀でGoogleの対応にもプレッシャーをかけていたけど。

ユーザーとして、私はGoogleとのみ関係を持っている。暗黙の、あるいは明文の約束でGoogleには私のデータを守る義務がある。もしGoogleが私のデータをViacomに引き渡すなら、Viacomがそれをどう使うかは関係ない。私は「Googleは私が同意していないまま収集、蓄積した私に関するデータをほんのわずかのトラブルの兆候が見えたとたんに第三者に引き渡した」ということを今後記憶し続けるだろう。

TechCrunch Japanese アーカイブ ? YouTubeのログ引き渡し問題で問われているのはGoogleの信頼性だ

裁判の展開とは別に、この件によって巻き起こった議論はViacomにとってはそれほど望ましくない状況となったといえる。今回の合意がそうした状況にViacom側が配慮したものかどうか、ということは定かではないが、ここで引かないよりは引いておいた方が損はない、というところだろう。少なくとも、この裁判においてはユーザを特定しうる情報を得たところで、直接的には意味のあるものではないからね*1
とりあえず、ユーザのプライバシーに関する議論はこれで幕引きになるだろう。ただ、やはり気になるのは、この裁判の行方、かな。

*1:といっても、使い道が全くないものではないのだろうから、もらえるならもらっておいてもよかったという類のものであるが。