着うたは高いんだけど、それでも売れているのがすごいよね

LISMOの課金は1曲420円だが、iTunesでは99セント。音楽の価値が4分の1と評価されているわけだ。権利者の価値を大事にしたいという思いが強いところは、LISMOのビジネスモデルを高く評価してくれるはずだ。

打倒!"ソフトバンク"iPhone−−ドコモ、auの戦略(2) | 企業戦略 | 投資・経済・ビジネスの東洋経済オンライン

Apple米国第1位の音楽小売店になりましたが何か?」
とまぁ、毎回こんな感じ*1で始まるのもなんだかな〜という感じですが、今日も酔ってます。うほほーい。

iTunesなら99セント?

んー、LISMOってアメリカでも利用できるのかしらね。iTSって150-200円でしょ、日本なら。で、mora for LISMOでも価格帯は一緒でしょ。ほんとはおんなじでしょうに。
で、何が420円かって言うと、auが提供している着うたフルだよね*2。ちなみにiPhone向けの米国着うた*3サービスは99セントなんだけど、既に99セントで購入した楽曲から着うたを作成するサービスだったかと。最大で30秒間、当該の楽曲から切り出すことができる。
まぁなんだ、比べるにしてもちゃんと比べようよってことで。でも、記事の書き方がやけにエロく感じられるようにも思えるけどね。そこんとこ、どうなんでしょ。

auぼったくりすぎ?

この辺の事情はよくわからないので、一概にauがいっぱい取ってるんだーというのは言いにくいよね。知ってる人に解説してほしいわぁ。

てか、そんなことよりも

確かに420円は高いよなぁって思うんだけど、何がすごいってそれでも購入してる人が多いんだよね。特に日本はそれが顕著。米国の場合、金額でみた場合には、PC対モバイルの比率は6:4くらいでPC優位なんだけど*4、日本の場合は、1:9くらいでモバイル優位なのよね。以下のグラフはRIAJ2008年第1四半期有料音楽配信売上実績」より。

金額

数量

で、

まぁ、デジタル配信といってもいろいろなものをごちゃまぜにしているし、CDを含めていないってことに注意してね。あと、米国では金額と数量ではPC対モバイルの比率が違ってたり、CDから音楽配信への移行も進んでいるって事情もある*5。その辺はRIAJRIAAの統計を眺めながら考えてみてほしいんだけど、何が言いたいかというと、確かにモバイル向けの音楽配信は高額なんだけど、それでも日本では数量、金額を見ても、PC向け有料音楽配信に比べて、遙かに多くの利用がなされているということ。
さらに、RIAJの統計を見ていると、継時的にもその利用はますます増大していることが示されている。なかなか面白いよね。たとえ、高いなぁと思っても、利用者にとっては、そこまで「高くて手が出せないよ」って範囲の高さではないのかも。おっさん連中が、シングルCDとかEPを買っていたのと同じ感覚なのかもね。2曲で1,000円弱だったもんね。
確かに「デジタルデータなんだから、フィジカルなコストは抑えられているはず」とか思っちゃうんだけど、そういう感覚が元からなければ、「全然出せるけど」と思えるのかもしれない。もちろん、着うたとして利用できる、という点でもコストに見合った価値を見出すのかもしれないし。

着うたは音楽産業の未来だ!

というのは言いすぎとしても、音楽産業としては産業を支える市場の一角を担ってくれるということを期待している。世界的にもそうだし*6、特にモバイル*7市場でのセールスが顕著な日本ではさらにそうだろう。ただ、それは産業にとって、だよなぁと思う。
「音楽」にとって。こうした状況がどういった影響をもたらすんだろうって疑問に思う。音楽オタの私にとっては、着うたは消費財に思えてどうしても好きになれないし、ケータイでだけ音楽を聴くってのはちょっと残念に思うところもある。でも、その良し悪しまではわからない。Time will tell...ってとこかしら。

*1:揚げ足とり

*2:価格帯としては210-420円

*3:米国だと「着うた」ではないけどね。Ringtunes。

*4:米国の状況はRIAAの統計をどうぞ。数量で見ると、モバイルはそれほどでもないんだよね。

*5:あと、CDシングルは米国ではほとんど売れていない、とかね。

*6:IFPIの年次報告書に書いてた、はず

*7:というかケータイ