違法動画削除支援ツール「とりし丸」が絶賛されている件について

インターネットの動画投稿サイトでテレビ番組などの映像が無断掲載され、各局を悩ませていた問題で、読売テレビ大阪市)が開発した違法映像を効率的に検索し削除要請するソフトウエアが、他局にも採用され、高い評価を得ている。今秋からはアニメ業界などにも提供され、メディア界の“救世主”となっている。

メディア界の救世主「違法動画摘発ソフト」を開発 読売テレビ  (1/2ページ) - MSN産経ニュース

へぇ、どんなツールかしら?と思ったら「とりし丸」くんだった。

読売テレビの違法動画削除支援ツール「とりし丸」、いたちごっこで一歩前へ
違法動画削除支援ツール「とりし丸」は中華系韓国系動画サイトはターゲットにしてないの?

一度聞いたら忘れられないくらいアレなネーミングセンスはさておき*1、この「とりし丸」はどういうものかというと、上記の産経の記事では

「とりし丸」の最大のポイントは、違法画像の題名に付けられたキーワードを入力するだけで、違法画像のURLを最大1000件まで自動的に特定できる簡便さ。削除要請メールを作成し、サイト側にまとめて送信。要請を受けたサイト側は違法画像を自主的に削除する。

とされているんだけれど、実際にはそれだけではなくて、キーワードやタグを利用してそれに関連するビデオを最大1,000件までサムネイルで表示し、それをクリックするだけで動画の閲覧や削除要請するかどうかをチェックすることができる。そうやって抽出し確認したものを一気に出力することができるために、作業時間の短縮が可能になっている、というところだろうか。それまでの全て手動の削除要請に比べると、作業効率はかなり上がっているとのこと。

「こんなことしても意味ないよ」

「どうせキーワード・タグで引っかからないようにするからいたちごっこなだけだよ」と思われるかもしれないが、完全に撲滅できると考えているわけでもないだろう。要は、「存在していても、誰もが簡単にアクセスできなくする」ことに意味がある。

キーワード・タグで引っかけても漏れも多いだろうけれど、少なくともキーワード・タグでコンテンツを探すくらいの人が当該コンテンツにアクセスすることを防ぐことはできる。しかも、低コストで。もちろん、100%防ぐことを考えれば、100%に近くなればなるほど、コストは高くなる一方で、効率は落ちる。何事もコストパフォーマンスが大事かなと。

気になること

以前のエントリで、中華系、韓国系のビデオ共有サイトへの対応はできているのかということを書いたんだけど、この辺りのことは改善されたのかな?YouTubeとかニコニコ動画にコンテンツのデッドコピーがアップロードされていることは、以前ほどなくなったけれど、その一方で中華系、韓国系のビデオ共有サイトへのアップロードは未だに盛んに行なわれている。もちろん、それぞれの国の語の字幕が入っていたり、英字幕が入っていたり、必ずしも日本人がアップロードしたとは言えないのだけれど、それでもそうしてアップロードされたコンテンツをインデックスしてリンクを貼り付ける日本国内のリンクサイトは少なくない。

たとえYouTubeニコニコ動画への対応ができていても、そうした中華系、韓国系のビデオ共有サイト、もちろんそれ以外の地域でも日本国内のコンテンツが頻繁にアップロードされるようなサイトへの対応が進まないと、思ったほどの効果が得られないということもあるんじゃないかなと思える。

*1:まぁ、忘れられない位なのだから、ネーミングとしてはばっちりなはずなんだが…