ほんとに?:違法音楽ダウンローダーの方が正規ユーザの10倍も音楽を購入していた!という調査

最初に断っておくと、詳細を見てないのでこれが本当らしいかどうかもよくわかってない。というか、この手の調査は複数回、同様の結果が得られてこそ信頼すべきだしね。

ってことで、Arsの記事から概要を。

BI Norwegian School of Managementが公表した、1,900名(15歳以上)に対する調査の結果、違法音楽ダウンローダの方が、非P2Pファイル共有ユーザよりも音楽を購入していた、とのこと。

で、この調査で最も興味深かった点として(強調は引用者)

when it comes to P2P, it seems that those who wave the pirate flag are the most click-happy on services like the iTunes Store and Amazon MP3. BI said that those who said they download illegal music for "free" bought ten times as much legal music as those who never download music illegally. "The most surprising is that the proportion of paid download is so high," the Google-translated Audun Molde from the Norwegian School of Management told Aftenposten.

Study: pirates biggest music buyers. Labels: yeah, right - Ars Technica

この調査の結果、タダで違法にダウンロードすると回答したユーザの方が、違法ダウンロードしたことはないというユーザの10倍、合法的に音楽を購入していた、とのこと。有料音楽配信の利用頻度によって差が付いたってことなのかな。

Arsの記事ではEMIのBj遵krn Rogstad がこの件についてAftenposten に語っているところとして、無料のダウンロードはダウンロード購入を促進するかもしれないがそれは確かめようがない、たとえ音楽消費が増大してもセールスは減少しているのだから、違法ダウンロードが合法音楽セールスを蝕んでいるのは間違いない、という発言をあげている。それに対してArsは、もはやアルバムによる抱き合わせ販売という旧来のフィジカルメディアモデルが通用しなくなっており、オンラインではチェリーピック可能な個別のトラックを売るしかなくなっている、アルバムフォーマットの低迷はオンラインミュージックの性質に由来するものであり、これが収益の減少に大きく影響しているのだ、としている。

うーん、確かに影響はあると思うんだけど…、違法ダウンロードしないユーザが(相対的に)ダウンロード購入しない、という説明にはなりにくいような…。結局のところ、Arsの記事のその後のくだりを読んでも、そもそも音楽に興味がないから違法ダウンロードもしなければ、音楽購入もしないって人が混じっているせい、とも思えるんだけど…。やっぱり調べてみないといけないかな。

余談

とりあえず、バランスをとるってわけじゃないけど、海賊行為について興味深い動きがあって。4月1日よりスウェーデンにて施行されたIPREDという著作権法による影響が、ちょっと前から話題になっている。この法律は海賊行為に対する罰則の強化、著作権者による侵害ユーザの情報取得の簡便化を含んでいるのだが、その施行後、スウェーデントラフィックが大幅に減少したり*1、合法音楽配信の利用が2倍になったり、などということがあったらしい。まぁ、これが本当ならこうした法律の改正も効果がある、ということにもなり得るが。これについても、まだ斜め読みなので、近いうちにFC2の方のブログで書いてみたいと思います。

*1:当初TorrentFreakは、これが改正後の一時的な落ち込みかもしれない、としていたが、今のところ、落ち込んだまま推移しているように思える。