ゲームバーが著作権侵害警告でゲームオーバー?何とかならんもんか…
都内のTV Game Cafe BAR『ファミコンシティ』が、同店Twitterアカウントにて、著作権協会(ACCS?)から警告を受けて閉店するとのアナウンスを行った。
いずれ詳細について報告してくれるとのことだが、どういった警告を受けたか、という点についても気になるところ。
この話題についてまとめられたTogetterをみると、「やっぱりな」という反応や「名前(ファミコン)がダメだったんじゃ?」という反応がちらほら。コメント欄では@ex_hmmtさんが上映権の問題では、との指摘。やっぱりその辺なのかしら。
今年2月にも、宿泊客にゲーム機・ゲームソフトを貸し出したとされる神戸市内のホテルが著作権法違反(上映権侵害)の容疑で摘発されている。ゲームの画面をホテル館内のテレビに無断で「上映」し、任天堂、カプコン、コーエーの上映権を侵害した、と。
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- Togetter - 「宿泊客にWiiで遊ばせたホテルが著作権法違反(上映権侵害)の疑い?」
件のファミコンシティも、「お酒を飲みながらTVゲームが楽しめるお店」として、FC、SFC、PS3、PS2、NDS、PSP、N64、GC、SS等ハードや周辺機器を用意し、各種ゲームソフトを貸し出していた模様。状況としては、摘発を受けたホテルと同様といえそう。
もちろん、名前がまずかった、というのもありそうだし、最新機種を取りそろえていること、この手のゲームバーが増えてきたこと*1なども、警告に至る一因となったのかもしれない。
漫画喫茶とかネットカフェでも貸し出してるよ?
漫喫やネットカフェの中には、ゲーム機を設置したり、ゲームソフトを貸し出している店舗がある。中には無断で貸し出しているところもあるのかもしれないが、2002年にCESA(コンピュータ・エンターテイメント・ソフトウェア協会)とJCCA(日本複合カフェ協会)との間で、ゲームソフトの業務利用(上映)に関する取り決めが交わされ、TVゲーム許諾システムというルールに即したゲームの貸し出しが行われている。
JCCAのウェブサイトには、許諾ゲーム一覧が掲載されており、ざっと眺めてみたところ、PS2、PS、NDSの一部のゲームソフトのみ、許諾されているようだ。NDSソフトは、今年に4月から許諾されることになったとのこと。複合カフェとしては、現在のところJCCA加盟店のみの許諾になっているとか。
◆許諾店はJCCA加盟のみ
JCCA-日本複合カフェ協会
DSソフトはJCCA加盟店のみに許諾されます。許諾ソフトのパッケージには、許諾の証であるシールが貼られています。
また、非加盟店舗によるDSソフトの貸し出しは著作権違反となります。ゲームメーカーの著作権団体であるACCS(コンピュータソフトウェア著作権協会)が、違法店に対し取り締まりを行う予定です。
この「違法店に対する取締り」とファミコンシティへの警告が直接繋がっているかはわからないけれども、業務形態は違うとはいえ、ルールに則ったゲームソフトの貸し出しが行われている以上、放ってもおけないというところもあるのかも。
ゲームバーあれこれ
テレビゲーム系のゲームバー*2というと、所謂レトロゲームをコンセプトにしたお店が多いようなイメージ。ゲームバーのウェブサイトをあちこち見て回ってみたが、8bitをフィーチャーしたところが多い。
ただ、ゲームバーと一口に言っても、店のコンセプトとしてレトロゲームをフィーチャーしているだけのところもあれば、実際にゲームをプレイできるところもある。また、店舗側で用意しているハードも、懐かしのハードのみ揃えているところもあれば、最新ハードまで用意しているところもある。また、貸し切りに限って、現行ハード&ソフトの持ち込みがOKなところもあった。ゲームソフトの貸し出しに関しては、持ち込みのみOKなところもあれば、各種ハードのゲームソフトを用意し、プレイできるところもある。それぞれお店によってまちまちな模様。
ちょっと気になったのは、GAME BAR A-Buttonが今年1月にWiiとDSを店内から撤去していたこと。
様々な事情を考慮しまして、任天堂製の現行ゲーム機は全て撤去いたします。
また、Wiiにつきましては、貸切営業時に限り、お客様による本体及びソフトウェア持ち込みの場合はプレイしていただけます。
Wii及び、ニンテンドーDSを完全撤去します - A-Button営業日誌
ちなみに同店はゲームソフトの貸し出しは行っていない。「様々な事情」がなんなのかまではわからないが、少なくとも現行ハードを貸し出すのは状況的によろしくないと判断したのかな。
何とかならんもんか
Togetterまとめへの反応を見てみると、「何とかならんもんか」という反応も少なくない。私も同感だ。
最近では、みんなで楽しめる系のゲームも増えて来つつある。とはいえ、みんながみんな、誰かの家に集まってワイワイやれるわけでもない。ゲームバーみたいなところは、気軽に集まって、みんなでゲームを楽しめる場にしていくこともできるんじゃないかなと思う。ゲーム人口の維持、開拓を考えても、そうした環境を整え育てていくことは、ポジティブになりはしても、ネガティブに働くとは考えにくい。
ところで、上述した神戸市内のホテル摘発では、権利者の告訴に至った背景を、警察は以下のように説明している。
「ゲームソフト業界の処罰意識は、とても高いものがありました。ソフトを作るのには多額の金がかかっており、貸し出しを見逃すとビジネスに差し支えるということです」
ホテルがゲーム無料貸し出し これで逮捕はやり過ぎとの声 : J-CASTニュース
うーん、ゲームソフトの施設内貸し出しがビジネスに差し支える…というのはいまいちピンとこない。ホテルでのご休憩やゲームバーでの数時間で、もう買わなくていいやーというくらいに遊び尽くせるわけでもないし、むしろゲームとの接点として有益なんじゃないのかなと思ったりもする。
もしくは、ゲームソフトの施設内貸し出しもビジネスとしてみていて、これから拡張していくつもりだった、だから見逃せないのだ、ということなのかもしれない。もしそうなのであれば、方向性としては望ましいと思ったりもする。最近、みんなで楽しめる系のゲームソフトとして大々的に売り出されているのを目にするにつけ、カラオケボックスとか、複合レジャー施設とかにあってもいいのになー、としばしば思う。みんなで誰かの家に集まれるシチュエーションは割と限定的だけど、外で行けるところがあるならやってみたい、ってそこそこ需要はあると思うんだけどね。個人的には、どんどん最新作に触れさせた方が良いと思うよ。そんな簡単に遊びきれるものじゃないでしょ?