「中国で海賊盤がなくならないホントの理由」のホントのところを教えて欲しい

中国の海賊盤をはじめとする著作権侵害がなぜ根深いかという利用の解説記事。

海賊版がなくならないことには確固とした理由があり、また、それは単に中国政府を知的財産権侵害だと声高に非難するだけでは決して解決しえない問題に見える。
 オリンピックイヤーに入り、北京では、バス停や地下鉄の駅などで「五輪に向けて法律を守ろう」とか、「海賊版の売買をやめよう」などと書かれたポスターを見かけるようになった。また、バスや電車の中のテレビでも同様のキャンペーンが繰り返し流されている。中国政府は真剣にこの問題と取り組み、国民の意識を高めようとしていると思う。

海賊版DVDは永遠に不滅です!? - OhmyNews:オーマイニュース

しかし記事によると、中国テレビドラマはたとえば3日間で全9話を放送する短期集中型であり、ライフスタイルの変化も伴って見逃し需要が極端に高い(VHSは死滅しており、かといってDVD/HDレコーダも手が届かないのだとか)。またCMが長いこともテレビよりDVDを選択させる理由のようだ。
では、なぜ正規DVDではなく、海賊盤を選択するのか。意図的に海賊盤を選択するのは、輸入(ライセンス)品の場合、物価の違いにあるようだ。海賊盤は表通りで10元(150円程度)、日本との物価で考えると1,000円程度の感覚なのだそうだ。
また、この記事ではないが、nikkeiの記事では中国政府の監視体制の緩さにもあるという指摘もある。その場合、価格やパッケージだけでは判断がつかない場合もあるのだという。
とはいえ、コンテンツ産業の側も、一応はそれを考慮した戦略を打ち出している。

米映画大手ワーナー・ブラザーズは米映画業界で初めて昨夏から正規版を22〜28元で発売し、店頭には約100タイトルが並ぶ。政府に海賊版摘発の強化を求める一方、消費者に正規版購入を促す狙いだ。

中国へ邦楽正規CDの波 逆輸入禁止機に値下げ攻勢--人民網日文版--2006.02.10

22〜28元ということは、日本の感覚で言えば、2,000〜3,000円というところだろうか。この記事によると、音楽産業も同様に中国の物価を考慮した戦略を採っており、エイベックスは18元、SMEは28元で販売しているとのこと(レコード輸入規制までやらかしたのだから、それくらいはやってくれないと・・・とは思うけどね)。
こう考えると、物価の違いが海賊盤を支えているという意見はにわかには信じがたいぞ、という考えが頭をよぎる。正規DVDが2,000円、3,000円で売っているなら、海賊盤の購入は本当に物価の違いによるものなのか、と思えてくる。
と書くとかなり意地悪な感じだけれど、個人的に、この記事を読んでずるいなと思ったのよね。日本で売られている定価3,990円のものは、中国では266元、中国の感覚で言えば2万円〜2万7千円くらいなものだ、というけれど、じゃあ実際に266元で売っているの?という話。
この論を完結させるためには、実際に中国における正規版がどの程度の価格帯で売られているのか、上記のような物価水準の差を考えた価格設定を行っているDVDはどの程度流通し、どの程度利用可能なのか、また、上記の例は中国国外のライセンスを受けているものだと思われるけれど、では国内のコンテンツの価格や、その海賊盤流通の程度はどうなのか、そういった点を解説して欲しいなと思う。
こういった理由は理解できるからこそ、きちんと把握したいと思うわけです。批判というより、期待を込めて。