モバイル動画調査:フリーライドアグリゲータが大勝ちする皮肉なケータイ向け動画サイト市場

 Webマーケティングガイドでは、モバイルインターネット調査会社のネットエイジアリサーチと共同調査のもと、モバイル動画やワンセグに関する調査を行った。

≪調査結果サマリー≫

  • モバイル動画の利用経験は57.6%。前回調査より13ポイント上昇
  • ワンセグの利用率は36.3%で、前回調査より約6ポイント上昇
  • 約70%のユーザーがモバイル動画で「音楽」を視聴する
  • モバイル動画を視聴するサイトは、「MyTubeモバイル」が最も多く、次いで「ニコニコ動画モバイル」

調査対象は、15歳〜49歳のモバイルユーザー345人。
男女比は、男:173人、女:172人の割り付けを行った。
キャリア比は、Docomo:51.3% Ezweb:35.1% Softbank:13.6%
年齢比は、10代:19.1%、20代:29.3%、30代:34.8%、40代:16.8%とした。

調査の概要だけなら、CNETの記事がよいかも。
一応、注意しておかないといけない点としては、調査が携帯経由でのものなので、そうしたケータイリテラシーの高い層だということ。モバイル動画といっても、携帯電話を利用して視聴された動画全般だと言うこと。なので、オンラインでサイトの動画コンテンツを視聴する、というだけではなく、友人、自分が撮った映像を視聴したり、有料ダウンロードしたコンテンツを視聴する、携帯(SDカード)に取り込んだ動画を視聴する、といったところまでが、モバイル動画の範囲になるのかなと*1
そう考えると視聴率の増加や、音楽の視聴率の高さも理解しやすいだろう*2
ただ、モバイル動画利用経験者に対する動画サイト利用に関する質問では、MyTube(40.7%)やニコニコ動画モバイル(22.1%)、モバイルGyao(17.6%)ムービーフル(14.1%)クリック.tv(9.0%)といったサイトを利用していると回答しており、オンラインでのコンテンツ視聴もかなり進んでいる模様。ケータイリテラシーが高いとはいえ、かなりの割合だよね。おそらくは若年層でその傾向が高いんだろうけど*3、年齢層の分布はそれなりにあるわけで、この調査結果はなかなか興味深い。
気になったのは、MyTubeとニコ動、その他のサイトという構図。モバイルGayoやムービーフル、クリック.tvといったライセンスを得た上でコンテンツ配信をしているサイト以上に、ユーザがアップロードするビデオ共有サイトであるニコニコ動画、さらにビデオ共有サイト(YouTube、DailyMotion、Veohなど)をアグリゲートするMyTubeといったサイトが高い人気を集めているようだ。
最もリソースを負担していないところが、最も人気があるだなんて、何か皮肉なものね。

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*1:調査では直接言及されているわけではないのだけれど、これまでの調査を眺めているとそんな感じなのかなと。質問も「携帯電話を利用して動画を視聴したことがあるか」という聞き方をしているみたいだし

*2:着うたとして音楽クリップのダウンロード提供を行っているわけで

*3:発表資料では、その点についての言及はない。レポートにはその辺のことが書かれてるんだろうけど。