米国調査「ニュースはネットで」という傾向:変わるメディアとジャーナリズム

 70%近くの米国民は「従来型のジャーナリズムは時代の流れから外れつつある」と考えており、ほぼ半数はニュースをインターネットで入手している――。そうした内容の新しい調査報告が発表された。
 米Zogby Interactiveが実施したオンライン調査によると、米国民の大半は「ジャーナリズムは生活の質にとって重要である」と考えており、64%は「自分たちのコミュニティーにおけるジャーナリズムの質に不満を感じている」と答えている。

「ニュースはネットで」というユーザーが増加――米調査 - ITmedia News

まぁ、とりあえずオンライン調査ですからね。
回答者は1979人、そのうち半数はニュースや情報をネットから、3分の1以下がテレビから、11%がラジオから、10%が新聞から、という結果。若年層ではネットからという割合が高く、高年齢層でその割合は小さくなるらしい。65歳以上の回答者のうち35%がネットを、38%がテレビを主要な情報源としている。
なんとなく理解できる結果ではあるのだけれど、65歳以上の年齢層でネットが主要な情報源であるという回答がテレビに肉薄しているというのは結構驚き。
ただ、あくまでもオンライン調査ですからね。
と挟んだところで、冒頭の「従来型のジャーナリズム」の時代遅れ感に対して、興味深い指摘も。

 「従来とは違う形で提供されているからと言って、必ずしも、その基盤に従来型のジャーナリズムの存在がないわけではない」と同氏。

まぁ、これはGoogle NewsYahoo! Newsといったサイトの情報が、結局は従来型のメディア(新聞、テレビ、通信社)に由来するものであるという指摘。確かに私もそう思う。この点に関しては、ジャーナリズムを担うプレイヤーの変化というより、ジャーナリズムを伝えるメディアの変化と捉えることができるだろう。簡単に言えば、テレビとか新聞とかラジオってふるいよね、という考えが反映したものだろう。
ただ、徐々にではあるけれど、従来型メディア発信のものと、ネットベースのソースからの発信のものとが混在しているようにも思える。特に、特定の情報を求めている人にとっては、その手の情報に特化したソースからの情報に接する頻度が高まるだろうし。そういったソースも、Google NewsYahoo! Newsにアグリゲートされているわけでね。
また、ネットベースでの配信を主に行っているソースもユーザの人気を高めつつあるようにも思える。もちろん、多くのものが一次情報を租借したものだったりするのだけれども、独自の情報網を持っているサイトなども数多く存在する。私にとってそういったサイトはTorrentFreakやP2P Blog、Arsなんかになるのかな。
ただ、気をつけないといけないのは、私のようにともすれば三次情報、四次情報を流すサイトやブログ。一応、ソースとして挙げられているものは確認したうえで書いてはいるけれども、そこに含まれる文脈全てを切り取れているというわけでもないだろう。ある意味では、一部分が欠損した情報に読み手はさらされているわけで、そうした時代の情報リテラシーというのも必要になるのかなと思うところもある。

アルジャジーラ 報道の戦争すべてを敵に回したテレビ局の果てしなき闘い

アルジャジーラ 報道の戦争すべてを敵に回したテレビ局の果てしなき闘い