GW期間中、Winny利用者は減少、Shareユーザは増加、P2Pユーザ全体では減少傾向?
ネットエージェントは8日、ゴールデンウィーク期間(4月26日〜5月6日)のP2Pファイル共有ソフト「Winny」「Share」のノード数に関する調査結果を公表した。期間中の平均ノード数は、Winnyが約29万ノード、Shareが約17万ノードで、Shareの増加傾向が継続している一方、Winnyは減少傾向にあるとしている。
Shareの利用者は依然増加、Winnyは減少傾向〜ネットエージェント調査
ACCSらの調査では激増が示されているものの、ネットエージェントのノード観測では減少傾向が示されているWinny利用者。個人的には後者のほうが実態を反映していると思えるので、ネットエージェントが公開している資料から、ここ数年のGW期間中のWinny、Shareユーザ数の推移を見てみる。
上記2つの記事内に掲載されているグラフの数値をもとに以下のグラフを作成してみた*1。
Shareノードの増加傾向
この11日間で、平均約17万のノード数が観測され、この数値は過去いずれの調査時の平均値をも上回る結果となりました。またWinny同様、4月27日には過去最大の数値となる約18万7千ノードを観測しています。
Shareノード数の推移 【NetAgent Co., Ltd.】
Winnyノード数の減少傾向
この11日間で、平均約29万弱のノード数が観測されました。この数値は昨年同時期の調査と比較しても明らかに減少しており、昨年度中盤以降からの減少傾向が現在も続いている状況です。
Winnyノード数の推移 【NetAgent Co., Ltd.】
Shareの利用が増加傾向にある一方で、Winnyの利用者は減少傾向にあるように見える。2006年、2007年のGW期間中には50万超のノードが観測された日があったものの、2008年には最も多い日で30万ノードをわずかに超える程度になっている。
2008年GW期間中のWinny、Shareノード数の推移
Winnyが減少傾向、Shareが増加傾向にあるといっても、絶対数の上ではWinnyはShare以上のノード数を誇っている。ただ、Winnyノードの減少、Shareノードの増加によって、ノードの絶対数の差も狭まっている。この原因としてネットエージェントでは
Shareについては以前よりWinnyユーザからの移行の傾向が見られましたが、同時に計測したWinnyの減少傾向とは対称的にShareのノード数増加の傾向は続いており、Shareユーザの数は着実に増加し続けていることを示しています。
Shareノード数の推移 【NetAgent Co., Ltd.】
2008年GW期間中のShare+Winnyノード数の推移
単純にShareノード、Winnyノードの観測数の和を算出するのには多少の問題があるのだろうが、参考までにグラフを作成してみた。
2007年に比べて2008年において、ノード数の減少傾向が示されている。この点からネットエージェントでは
(Shareのノード)増加数はWinnyのノード減少数よりも低く、P2Pファイル共有ソフト全般の利用者数推移を見ると減少傾向にあるといえます。
Shareノード数の推移 【NetAgent Co., Ltd.】
と解釈している。まぁ、確かにそうかも。
おわりに
期間は同一といえども、状況は毎年異なっているわけで、単純にこの時期の比較をしただけで増減を結論付けることは避けた方がいいだろう。なので、パターンとしてこのような傾向が推測できる程度にとどめておいて、今後の調査とのすり合わせを行っていくというのがベターかなと。ネットエージェントはこうした調査を縦断的に行っており、そうしたデータをもとに増減の傾向を見ていく、というのは有益だろうね。
あと、タイトルに「P2Pユーザ全体では減少傾向?」としたけれど、Winny+Shareノード数からの推測なので、Gnutella、BitTorrentユーザが増大している、という可能性もないわけではないかも。
*1:今回はパターンを見ることを目的としているので、詳細な数値は省略した。詳細はリンク先のグラフを参照のこと。