HBO:iTSの固定価格ルールが破られる模様
これまで、自社だけで独占的に、そして多くのユーザが利用できないような制限が加わった状態で、自社コンテンツをオンライン配信してきたHBOが、その独占的な体制を捨て、iTunes Storeでの配信を開始するとのこと。
ただ、一番の驚きはそこではなくて、このHBOとAppleとの提携によって、AppleのiTSにおける固定価格ルールを打ち破るのではないか、ということ。
Portfolio.com.にもたらされたHBO関係者の話によると、この提携は今後2週間以内にアナウンスされ、現在の固定価格1.99ドルよりもう少し柔軟な、より高い価格設定がなされることになるだろう、という。こうした取引は、両社にとって戦略的な意義が高く、AppleとしてはApple TVの販促、認知度を高めるための、HBOとしては過去のアーカイブからより多くの利益を得るためのものだと言える。
こうしたiTSにおける「柔軟な価格設定」というと思いだされるのがNBCだろう。AppleとNBCとの間で巻き起こった喧嘩は、少なくともこの価格設定に端を発したものであったと言われている。柔軟な価格設定を求めるNBCと、固定価格を譲らないAppleとの交渉の結果、NBCはiTSへのコンテンツ提供を停止し、Huluへと突き進むこととなった。
ただ、Ars Technicaによると、こうした状況は変化しつつあるのだという。確かに、Appleがレンタルを開始した際には雪解けムードになっていたし、最近開始されたiTunes UKでのNBCのコンテンツ配信の開始もそれをうかがわせる。そして、その価格設定では、他の番組コンテンツが固定価格での提供がなされている中、NBCの番組コンテンツは新作が1.89ユーロ、旧作が1.19ユーロと多少柔軟さが見られている。
未だ、米国においては完全に仲直りしてはいないNBCとAppleではあるが、こうしたHBOとAppleとの提携の話、iTunes UKでのコンテンツ提供などの動きを見ていると、仲直りの日も近いのでは?と思える。
追記
CNETでも記事になってるね。
それとはてブでコメントもらいました。
vantguarde ただこれでコンテンツの平均価格が上がるのは避けてほしいなと。
確かにそうなる可能性もないわけではないのですが、個人的には価格設定に関しては、コンテンツプロバイダ側にも対象の選択の幅があってよいかなぁと思っています。これまでは、Appleがそれを認めないことで、それを受け入れられないコンテンツプロバイダには提供しない、という選択しかできなかったのですから。
ユーザとしても、カタログに載っていなければ購入することもできませんが、載っていれば少なくとも購入することは可能になるわけです。その価格を受け入れて購入するかどうか、はユーザ次第ですしね。そうやって相場が決まっていけばいいかなぁと思ってます。