DRMは大規模違法ファイル共有を防ぐため、という勘違いに反論する

FC2で書いているブログの「DRM is Dead:RIAA、DRMの死を認める」という記事にid:gnorthy033さんよりトラックバックを貰ったので、その内容に返信してみる。

俺はITMS派であるが、正直DRMはとうぜんない方が望ましい。
しかし、それを言ったら、料金を支払うこと自体が悩ましいことになるじゃないか。。

無ずい。。 - engaget Japanese

金を支払う気がないなら、金を払わずに黙ってファイルを手に入れる手段を利用する。それが嫌だから、正規購入者に不便だけ強いるDRMを批判している。

DRMが取り払われると、簡単に複製ができる。複製ができるとあっという間にネットでばらまかれる。

無ずい。。 - engaget Japanese

現状、オンライン音楽配信にて提供されている音楽ファイルにはDRMによる制限が施されているにもかからわず、大規模P2Pファイル共有ネットワーク内では音楽ファイルがやり取りされている。
少なくとも音楽の場合、オンライン配信から得られたファイルが流通するということはほとんどないに等しい。未だに支配的な音楽メディアはCDであり、その場合、DRMの見られるような制限はない。
良くある勘違いだが、DRMが防いでいるのは、大規模P2Pオンラインファイル共有での流通ではなく、ローカルな小規模の対面交換にすぎない。それを防ぐためにCDとは異なる制限を施す合理的な理由はない。

単に、普通にいえば、割れコミュニティの押し切り勝ちだと言うだけだろう。

無ずい。。 - engaget Japanese

もう一度言っておくけれど、タダで手に入れているのなら、DRMなんてどうでもいい。大した意味もなく、正規の購入者に不便を押しつけているから不満を述べている。
レコードの時代、CDの時代*1には、音楽はテープやMDといった媒体に簡単にコピーでき、自分の好きなように利用できた。より利便性が増している時代にそれを阻害せんとするものに対して不満を言うのは当然だろう。
結局、これまでのDRMの流れはそれを受けてのものだったはずだ。かつて世界第2位の音楽配信サービスであり続けたeMusiciTunes plusの導入、Amazon、RaphsodyのMP3配信開始、4大メジャーのDRMフリーの許容、そしてAppleによるDRMフリー化への見通し。また、Yahoo MusicやMSN Musicのサービス停止によってDRMがはらむ潜在的な問題まで浮き彫りになった。その中で、現状のDRMを維持し続ける理由など存在しない。

俺は、DRMは将来勝つと断言してみる。
DRMは勝つね。技術的に。割れコミュニティとオープンソースコミュニティを「技術的に破る」
そう予言する。。

無ずい。。 - engaget Japanese

オープンソースコミュニティ云々は何を言いたいのかよくわからないが、DRMに関しては、現状のデジタル・リストラクション・マネジメント的発想を捨てなければ無理だろうし、私にはとてもじゃないが許容し得ない。正規購入者に理不尽な不便さを押しつけている限りはうまくいくことはない。それが気付かれにくいのは、Appleへの一極集中のおかげでしかない。

*1:今でもCDの時代にあるとは思うが