カナダ:iPod税、再度否定される

最近話題になっていたカナダでのiPod税問題で、連邦控訴裁判所は、「私的な複製」による損害に対するアーティストへの補償のためにMP3 Playerの消費者から料金を徴収するというカナダ著作権委員会の決定を棄却した。
カナダでは、CDなどのブランクメディアに対する補償金は既に存在しているものの、それをMP3プレイヤー、Flashカードに拡張しようとする試みは、2004年に失敗に終わっている。
レーベルおよびアーティストを代表するCanada's Private Copyright Collective (CPCC)は、2007年、再び税金に対するロビー活動を行い、MP3プレイヤーがオーディオメディアである以上、課税の対象とならなければならないと主張した。著作権委員会はこの申し入れを受け、今年後半から課税を行うことを目指してきた。

"The Copyright Board erred in law when it concluded that it has the legal authority to certify the tariff that CPCC has proposed for 2008 and 2009 on digital audio recorders," the Federal Court of Appeal said in its decision.

Canucks kill second attempt at 'iPod tax' | The Register

連邦控訴審の判決では、CPCCが補償金を請求する法的権限があるとした著作権委員の判断は誤りである、としていると。
先日、オランダでもMP3プレイヤーを対象にした補償金導入は却下されている。少なくとも、デジタル関連の諸問題に関しては、グローバルスタンダードなどほとんど存在しない状況にある。何が良い方法なのかをしっかりと見定めることなく、都合の良いものをグローバルスタンダードと主張することは、詐欺的ともいえるだろう。世界は今はまさに何をスタンダードとすべきかを考える時期にある。勝手にスタンダードだと言い切ったところで、それがうまくいく保証などはない。スタンダードとなったものと、スタンダードにしたいものは違うんだよ。