読売テレビの違法動画削除支援ツール「とりし丸」、いたちごっこで一歩前へ
放送技術誌1月号に「とりし丸の開発」という記事が掲載されている。とりし丸は、読売テレビが開発したツールで、YouTubeやニコニコ動画などの動画投稿サイトに対して効率よく削除要請メールを作成することができる。とりし丸の開発にはAjaxを使用。サムネイル画像をクリックするだけで動画の閲覧や違法動画のチェックができ、削除要請メールの文面を生成することができる。手作業でURLをコピー&ペーストするやり方では1日200件が限界だが、とりし丸を使用した場合、「犬夜叉」タグの動画1000件をチェックし、489件の違法動画の削除要請を行なうのに要した時間が2時間と、大幅な高速化ができたとのこと。
スラッシュドット ジャパン | 読売テレビの違法動画削除支援ツール「とりし丸」
ある意味では技術で対抗、といったところでしょうか。まぁ、本来であればYouTubeやニコニコ動画の提供する削除支援ツールが効率のよいものであればいいのだけれどもね*1。
あと、スラドでは、「YouTuneの定める削除要請ツール入手のための申請が、間接的権利侵害者であるYouTubeのやり方を認めるものだとして、YouTube主導の削除要請のあり方に従えば、権利者の独立保持に問題を残す、そのため特定したURLを削除要請ツールではなく、通常のメールでYouTubeに連絡し、YouTubeの責任で違法にアップロードされたコンテンツを削除させる、という方針を打ち出している」ってところが議論になっている。
個人的には、このような方法で連絡されて削除するしないを決定するのはYouTube、つまりサービスを提供する側の裁量だと思うけどね。突っぱねて話をこじらせるのもYouTube次第だし、おとなしく従って事なきを得るのもYouTube次第。従った場合は、誤って削除してしまうことも、フェアユースとみなされるようなものまで削除してしまうこともありうるので、その辺の問題も引き受けなければならなくなるだろう。
で、そういうやり方に便乗して、偽りの侵害通知を提出してくる輩も出てくるかもしれない。もちろん、それが問題になればYouTube側としては、何らかの改善策を講じなければならないだろうけど。
うーん、それにしてもやはり効率が悪いなぁ。このまま延々とこのようなやり取りを続けていくわけにもいかないだろうし、何らかの落としどころが必要になる。コンテンツがよりオープンになってYouTube上に違法アップロードをする必要がなくなるか(監視を必要としない程度にまでなるか)、それとも電子指紋技術の精度が高まり、大規模なデータベースが構築されるか、どうなるんでしょね*2。
にしても、やはり多くの人が最も気になるのが、このネーミングだろうか。何だか、白物家電のようなネーミングだよねぇ.