iTunesインストール後に感じるQuickTimeのマルウェア感

MozillaのCEO John Lillyが、WindowsSafariiTunesQuickTimeの自動アップデートを通じてインストールさせようとするAppleの動きを批判している。

 AppleMozillaと異なるのは、ユーザーが要求していない製品を自動アップデートリストに掲載したという点だ。つまり、ユーザーが気付かないうちに、いとも簡単にソフトウェアがインストールされてしまう可能性がある、とLilly氏は指摘する。

モジラCEO、アップルの「Safari」自動アップデートを批判:ニュース - CNET Japan

なんとも、毎度毎度iTunesをインストールするたびにQuickTimeの挙動に鬱陶しい思いをさせられている人には、Appleらしいなぁと思えるのではないだろうか。
iPod等の展開を見ていると「Appleの押し付けがましさ」は確かに成功していると思う。ただ、その一方でそれを不愉快に感じるユーザも数多いだろう。特にiTunesのインストール時に勝手に押し付けら得るQuickTimeには、不愉快を通り越して腹を立てているユーザもいる*1
とりあえず、QuickTimeを押し付けられて面倒になるのは、ブラウザ上でのmp3リンクを開いたときだろうか。ほとんどの人はダウンロード保存(もしくは規定のプレイヤーで再生)されることを望むのだろうが、QuickTimeがインストールされるとブラウザ上でQuickTimePlayerを起動し再生を始める。Appleにしてみれば便利でしょ?と言わんばかりなのだが、ユーザからすれば大きなお世話、頼みもしないことを勝手にやらないでくれ、というところだろう。
しかも、それを元に戻すのに一苦労する。
QuickTimePlayerを起動し、

編集>設定>QuickTime設定>ブラウザタブ>MINE設定

で、QuickTimeの関連付けをはずす。とまぁ、これでもうまくいかなくて、レジストリをいじる必要が出てくる。

Windows Registry Editor Version 5.00

[HKEY_CLASSES_ROOT\MIME\Database\Content Type\audio/mp3]
"CLSID"="{cd3afa76-b84f-48f0-9393-7edc34128127}"

[HKEY_CLASSES_ROOT\MIME\Database\Content Type\audio/mpeg]
"CLSID"="{cd3afa76-b84f-48f0-9393-7edc34128127}"

上記テキストエディタ(メモ帳など)にコピペして適当な名前をつけて保存、拡張子を.regに変更し実行する。いつもお世話になってます、ちょっとしたblogさま。
ただ、FireFoxだとこれでもMP3がQuickTimeで再生されてしまう、というケースもあるみたい。その場合、FireFoxを起動し

ツール>オプション>コンテンツタブのファイルタイプ:管理

からMP3の項目を編集する。おそらく、「次のプラグインを使用する(p):」にチェックが入れられ、「QuickTime Plug-in *.*.*」が選択されているはず。それを別の項目に変更するといい。

その他にもQuickTimeのqttask.exeがQuickTime設定から除外しても、msconfigなどでスタートアップから除外しても、ゾンビのように起動してくる、という問題もあった。いろいろやり方はあるようだけれども、私はProgram File>QuickTimeフォルダ内のqttask.exeをリネームすることで排除している。今のところは特に不便はない。ただ、Wikipediaには、2008年1月にリリースされたQuickTime 7.4 ではqttask.exe は常駐しないとの記述がある*2
確かにAppleは魅力的な製品を数多く提供しているのだけれど、それでもこうした点であこぎだなぁと思えるところも多い。QuickTimeが優れたプレイヤーだというならまだしも、ほとんどのWindowsユーザにしてみれば、それほど便利なプレイヤーでもない。それを無理やり押し付けるというのは、やはりユーザとしては心地よいものではない。
そういった思いがあるので、John Lillyが批判するのも非常に理解できるところがある。既存のiPodiTunesのユーザベースを利用して自社製品を押し付けてくる、というのはやはりフェアではないし、その製品がそれほど優れたものでなければ、マルウェアのようにすら感じられる。
余談ではあるが、Adobeがリリースを目指しているAdobe Media Playerも同様に、既存のAdobe製品のユーザベースを利用して、その展開を模索しているとの話もある*3。こちらはどうなることやら。

*1:私のことです

*2:私の環境では未確認です

*3:この話題はこの話題で、別に興味深いところも多々ある。Veohライクなメディアプレイヤーとしての提供、P2Pテクノロジー採用の検討などなど。