「ネットでは」という言葉への違和感

確かにインターネットのメディアとしての特性とか、そういった話なら、「ネットでは〜である」というのもわかるんだけど。でも、ある種の言説や行動を取り出して、「ネットでは〜である」といってしまうのには、なんか違和感を感じる。
インターネットがある種の共通性を持ったコミュニティとして捉えられているのか、それともインターネットというメディアの特性が言説を規定してしまうと考えているのかはわからないが、後者の「ネットでは」という言い方は乱暴すぎやしないかと。
確かにネット上でそういった言説や行動を見かけたのであれば、「ネットでは〜である」ということは事実かもしれない。ただ、それが事実だとしても、そういった人をカテゴライズするために「ネットでは」と括ってしまうのは違うんじゃないかなぁ。
とある村のとある地域で、裸祭りがおこなわれていたとして、それを伝えるのに「日本では裸祭りが行われているんだよ」というような。間違ってはいないんだけど、正しくは伝わらないような。
ただ、乱暴だ!改善しろ!とかそういう話ではなくて、どちらかというと私自身の感覚が変わってきたのだろうなぁという感じがする。以前には、私も「ネット上の人たち*1」に対して、かなりステレオタイプ的な見方をしていたように思える。ケータイを使っている人、とかそんな感じで。ただ、インターネットを利用していない人なんて少なくとも私の周囲にはいないし、頻度の差、利用形態の違いはあれど、何かしらの関わりを持っている方が多いだろう。
アクティブではない人たちのほうが多いのだろうけれど、それでもそういった人も含めて「ネット上の人たち」なんだろうなぁと感じる。だからこそ、「ネットでは」という括りを乱暴に感じるようになったのかもしれない。

なんて言ってはみたものの

私自身、これまで何度かそういったことを言ってきたんだろうなぁ*2。「2ちゃんでは」でも「はてなでは」でもいいんだろうけど、そういったものは単に表面上の共通項にしか過ぎないことのほうが多くて、実際にはもっと適切な共通項が存在しているはず、なんだろうね。でもそれをきれいに切り取ることができないがために、ステレオタイプ的なカテゴリーの誘惑に負けちゃう…のかも。

*1:もちろん、ここに自分も含まれているんだけど

*2:多分これからも。。