ポップジャンキー必聴のフリーアルバム8枚
さて、今年も残すところあと僅か。できれば、思い残すことなく年を越したいものです。今年やり残したことを年内にやってしまおう!ということで、今年、皆さんに紹介したいと思っていたCreative Commonsアルバムを一挙に8枚ご紹介します!とりあえず、ポップジャンキー向けのラインナップになってしまいましたが、そうじゃない方が聞いてもきっと気に入ってくれる、そんな音楽ばかりだと思います。
年越し、新年をこれらの音楽と共に過ごしてもらえたら嬉しい限りです。以下、試聴、ダウンロードページへのリンクはジャケットアートワークまたはアルバム名から辿って下さいな。
Morad Stars - 『Imagine Peace With Popcorn』
最初にご紹介するのは、Morad Starsというワンマンプロジェクトの 『Imagine Peace With Popcorn』というアルバム。このアルバムは、前回のエントリのコメントにて、id:nogajunさんから「ポップ好きならオススメ」と紹介していただいたもので、1曲目のイントロの時点でハートを打ち抜かれてしまった。
60年代から現在にかけての英国音楽に影響を受けているそうで、聞けば聞くほどその影響の程がうかがい知れる。SupergrassやPet Shop Boysからの影響も受けているとあるのだけれど、アルバムを通して聴いてみての印象では、The Beatles、Beach Boysが紡ぎ出したポップミュージックの系譜に位置付く音楽かなと。アルバム自体は昨年リリースされたもののようだけれど、今まで知らなかったのが勿体ないと思えた一枚。
The Wind Whistles - 『windows sills』
最初に聞いたときにはそれほどグッと来るという感じでもなかったのだけれど、聴けば聴くほどに好きになっていったアルバムの1つ。3月にアップロードされた直後にダウンロードして、夏ぐらいから気になり始めて、気づいたらパワープレイ、という感じ。
このThe Wind Whistlesはカナダ バンクーバー在住のフォークデュオ。フォークというと地味な感じではあるのだが、楽曲構成が良いせいか、アルバム1枚を通して聴いても飽きることはない。構成もさることながら、個々の楽曲がそれぞれに立っている、というところもあるのだろう。まぁ、アコースティックといっても、ギター、ベース、ドラム構成だし、曲調もポップ&メロディアスだしね。たまに酔っぱらって一緒に歌ってます。
北米、欧州でのツアーを終えて、現在は2ndアルバムのレコーディング中だとか。次のアルバムも楽しみ。
the precious band - 『baroque』
このアルバムはXTC、というかThe Dukes of Stratosphearが好きな方には絶対にお薦めしたいアルバム。アルバム(EP)としては3枚なのだけれど、それぞれ4曲ずつで構成されており、個人的にはこの3部作で『baroque』というアルバムコンセプトが達成されるのかなと、勝手に思っている。
アーティストインフォに"it sounds like 1968 but it's definitly 2006. enjoy these good old new songs!"とあるように、一体いつの時代なんだ!?と思えるほどのサイケデリック満開なサウンドと、要所要所でのひねくれっぷりがたまらない。
今後が楽しみでもあるのだけれど、ここまで60'sサイケデリックを意識した感じだと、次のアルバムの方向性が難しいだろうなぁとか思ったり。ただ、このバンド自身のインフォメーションがほとんど見つからなくて、現在活動を続けているのか、すらよくわからない…。せっかくすばらしいアルバムなので、是非とも続けていて欲しいものなのだけれど。このバンドでの活動は終わって、メンバーそれぞれが個別の活動をしているとかかな。
Julandrew - 『Sings Your Favorite Songs』
なんだかすごいジャケットではあるのだけれど、曲はさわやかでメロディアスなギターポップ。ほんとキュートな声とメロディがハマる。
このJulandewはテキサス州オースチン在住のJulie(vocal, 作詞)とAndrew(その他ほとんど)の夫婦ユニットで、演奏は手持ちの楽器、レコーディング、ミックス、マスタリングはLinux上でオープンソースソフトを駆使してリビングにて行なっているのだとか。こういうのを聞くとワクワクするよね。彼らについては、id:nogajunさんも大絶賛しているので、そちらも読んでみるといいかも。
Jamendo以外では、公式サイト、MySpaceでも楽曲を公開していて、それぞれJamendoにはアップロードされていない楽曲が聴ける。特にMySpaceの方は待ちに待った新曲がアップロードされているので(これもまたいい曲!!)、既にファンだよ、という方もアクセスしてみてはいかがでしょうか。まだ、ダウンロードはできないのが残念ですけどね。
papa dada - 『prePOPsterous』
papa dadaはベルギー ブリュッセル在住の三十路ギターレスピアノトリオ。とりあえず、聞いた人ほとんどが思うであろうことを言っておくと、Ben Fold Fiveっぽい。ただ、私はそれでも彼らのオリジナリティが出ていると思っているし、彼ら自身も「確かに(Ben Folds Fiveは)僕らの好きなバンドだよ。でも彼らをまねしようとはしてない。単に、彼らと僕らの構成が同じだからってことだと思ってるよ。」と明言している。個人的には、曲順もあるかなぁと思ってるけどね。特に1曲目の印象がそうさせるのかな
MySpaceでは、"blind date"、"Family Secret"というJamendoにはない2曲の新曲が公開されているのだけれど、こちらを聴くとちょっと印象変わるかなと。なかなかの佳作。パワーポップ好きならハマること間違いなし。
余談だけれど、彼らは以前、Jamendo Blogにてフィーチャーされていて、そのときのコメントにもグッと来た。「無料で僕らの音楽を公開することには何の問題もないよ。むしろ音楽を聞いてもらうための最高の方法だと思ってる。億万長者のロックスターになってやるってわけじゃないんだもの。ただ音楽を作りたい、その音楽を聞いて欲しいってだけなんだ。」
Dan Bryk - 『Discount Store』
カナダ トロント出身で現在ノースカロライナで活動するDan Brykは既に14年の音楽キャリア、3枚のフルアルバムをリリースしている、いわば中堅クラスのミュージシャン。彼の2ndアルバムは日本でもAvexが国内盤を出しているので、パワポ好きなら知っている人も少なからずいるかも。
このジャケットにもあるビジュアルからは信じられないほどの、メロウな"Summer Heroine"から、ドリーミーなアレンジの"Discount Store"、ストレートなポップソング"Normal"、そして最後の最後にいい意味でも悪い意味でも(笑)期待を裏切ってくれる"Cherry Berry"。そしてどの曲のメロディ・アレンジもすばらしい。
とはいえ…、Avexの宣伝文句にもあるように、アーティストや、ポップジャンキーには支持されているものの、やはりセールス的には芳しくないんだろうなぁ…。だからこそ、1人でも多くの音楽オタクに彼の存在を知って欲しい!と思うわけです。
MoOt - 『Demo』
MoOtはイギリス在住のフランス人ミュージシャンMatthieuのワンマンプロジェクト。ドラム演奏とミキシングにいくらか友人からの助けを得ているが、それ以外は彼一人で全て行なっているという。
彼の音楽のベースは、Beatles、Kinks、The Whoなど60年代のブリティッシュポップ/ロック。このデモEPを聴いてもその影響の強さがよくわかるだろう。とはいえ、60'sの焼き増しというわけではなく、今の時代の彼なりの解釈の元にそれを表現していると。奥田民生チック、といった感じかしら?
彼自身、そうした影響についてはごく自然なものと考えてもいる。「誰でも何かしらの影響を受けているものです。曲を書くときも、ビートルズ風にしようなんて思ったことはありませんが、それでもそうなっているというだけなんです。『新しい何かを作り上げるのに、そうした影響が必要なのだろうか?』という疑問もあるでしょう。でも、私にとって唯一価値ある問いは『do you like what you hear?(今あなたが聴いてる曲、いい?)』なんですよ。」
余談だけど、MoOtの声や歌い方は、pre-school初期のころの大和田晃っぽいなぁと思う。私だけかな?
Steven Dunston - 『Hymns About Her (advance)』
60-70年代のシンガーソングライターら辺が好きな人なら、結構気にいるんじゃないかな、というSteven Dunstonの『Hymns About Her (advance)』。ほぼピアノの弾き語りで構成される楽曲はメロディの美しさと彼の歌声のすばらしさを引き立たせている。
個人的ハイライトは、1曲目の『Northern Star』。多分、この曲のメロディの美しさだけでもこのアルバムをダウンロードする価値があると思えるくらいに大好きな1曲。もちろん、他の楽曲もすばらしいのだけれどもね。
さて…
ここまで私お気に入りの8枚のCreative Commonsアルバムをご紹介してきたのだけれど、まだまだたくさんの紹介したいCCアルバムがあります。まぁ、一度にたくさん並べても聞ききれるものではないと思いますので、今回はこれまで。是非、このすばらしい音楽を楽しんで下さい。そしてもし、これらのアルバムの中に、気に入ったものを見つけたら、それを誰かに紹介してあげて下さい。
それと、けっこう気合い入れて紹介文書きましたけど、読み返してみると冗長な感じもします…。1行紹介とかそんな感じの方がいいですかね?