盗撮映画をShareで公開した男性、逮捕される

映画館で盗撮された映画「クローズZERO2」をファイル共有ソフトShareを利用して共有していたとして、京都府警ハイテク犯罪対策室は著作権法違反(公衆送信権侵害)の容疑で、大阪府在住の会社員(37)を逮捕した。日本国内の映画館で盗撮された映画を共有していたことで逮捕に至ったのはこれが初めてとなる*1

逮捕容疑は、2009年5月15日から21日にかけて、自宅PCよりShareを利用し「クローズZERO2」を不特定多数のユーザに公衆送信しうる状態にした著作権侵害の疑い。同映画の製作・配給会社の東宝日本映像ソフト協会(JVA)より問い合わせを受けて捜査を開始し、今月初め東宝の告訴を受け、容疑者の逮捕に至った。

同映画は未だDVD、Blu-ray等でのリリースはされておらず、映像に施された電子透かしの解読により、愛知県内の映画館で盗撮されたものとみられている。

容疑およびShareへの流出経路について容疑者の男性は、

無断で公開した容疑を認めた上で「海賊版を買った」と盗撮行為を否定している

盗撮か?ネット上で邦画無断公開 著作権法違反容疑で男を逮捕:京都新聞

と容疑を認めつつも、自身が盗撮し流出させたものではなく、販売されている海賊版が元となったようだ*2

映画盗撮防止法との関連

容疑者の男性が海賊版からデータを入手したのであれば、今回の逮捕は映画盗撮防止法には関係しないと思われる。とはいえ、その元となった映像が国内の映画館で盗撮されたものであることを考えると、映画館での盗撮行為に対する取り締まりの強化も考えられる。

もちろん、海賊版を売るためだとかファイル共有ネットワークへのリークするために行なわれる映画盗撮を擁護する気はさらさらないが、ちょっと携帯で撮ってみたというものにまで過剰反応するようにはならないでほしいなぁとは思う。

文化庁2009年8月12日の文化審議会 著作権分科会 国際小委員会で明らかにしたところによると、映画盗撮防止法を根拠に映画館従業員が盗撮者に警告するなど、映画盗撮を阻止した事例は2008年に10件。同法違反での逮捕事例はまだゼロである。

国内の映画館で盗撮、「Share」で流出 京都府警が男を逮捕:ニュース

この10件がどういったケースだったのか気になるところ(引用文中リンクは引用者による)。

*1:海外の映画館で盗撮され、字幕をつけた上でリークした男性が逮捕されたことはあったが。

*2:もちろん、この供述が事実とは限らないが。