危機的状況を迎えるJamendo
先日、「ダウンロード違法化が施行されたので合法ダウンロードサイトをお勧めするよ」というエントリの中でJamendoをお勧めしたのだが、そのJamendoが危機的状況にある。
■ Digital music startup Jamendo runs out of steam, mulls sale - TechCrunch Europe
この記事にあるように、JamendoはシリーズBラウンドでの資金調達に失敗し、以前に調達した資金も底をつく寸前にあるという。JamendoのCEOもそれを認めており、売却または吸収合併を目指しており、既に交渉も進められているという。もちろん、現段階では、それがうまくいくかどうかは不明であるが。
現在、Jamendoのフォーラム上で、Jamendoをどうやったら救うことができるのか、について盛んに議論され、また、そのフォーラムからこの問題に特化したブログが開設されている。また、Facebookにもコミュニティが開設されている。
■ [Sticky] How can we help save Jamendo? - The forum: General - Jamendo
■ Save Jamendo!
■ Save Jamendo! | Facebook
ただ、正直なところ、この段階にあって、ユーザの側が直接的にサポートしうる術はあるのかと絶望的な気持ちになる。もちろん、諦めるつもりはない。
Save Jamendoブログの記事にもあるが、JamendoのコミュニティマネージャAmelie Roelantsがフォーラム上でこの件について説明している。彼女によれば今後Jamendoは2,3週のうちに合併先を見つけるか、閉鎖するかの選択肢しか残されていないようである。もちろん、前者に向けて全力を尽くしているとのことだが。
あたらしいかたち
この件については、The Creative Uncommonsの『On Jamendo's Situation』というエントリで知った。
はてなブックマーク上で、id:nofrillsさんが強調しているが、
Jamendo hasn't been the success it is thanks to its financial achievements, it's been a success thanks to the activities of the musicians, reviewers and fans who swarmed to it and if that can be done under the aegis of a corporate entity why can't we do it under our own steam?
On Jamendo's Situation
財政的な失敗と、コミュニティとしての成功、それが現在のJamendoである。一つの企業体に依ってできたことが、なぜ我々の自力で成し遂げることができないのか。その気持ちは痛いほどよくわかる。でも、おそらく我々はその段階にまでは未だ達してはいない。
未だVCの投資なくしては成り立たないのは残念であるが、真実でもある。海賊コミュニティで数十万回とメジャーなコンテンツがダウンロードされている一方で、Jamendoで1万回以上ダウンロードされたアーティストはほとんどいない。それが現実である。
フリーな音楽を中心としたサステナブルなサイクルは未だ育ってはいない。私がJamendoを推薦し続けてきたのは、Jamendoというコミュニティが育ってほしいと考えているからではなく、Jamendoをよりしろとして、我々の中にそうしたサイクルが芽生えてほしいと考えているから。
未だJamendoが担う役割は非常に大きい。Jamendo存続のためにできることがあるのなら、できる全てのことをしたい。