児童ポルノファイルを持っていたことにされてしまう危険性
前回のエントリの最後に、
出所の信頼できないファイルは入手しない、使用しない、に尽きるのではないかなと。100%信頼できるソースなんてのはないのだろうけれど、信頼性の高さを常に査定するよう心がけることが必要だと思う。
Winny、 Shareウィルスを利用した著作権詐欺に注意 その4 - P2Pとかその辺のお話@はてな
と書いたのだけども、これは入手するファイルに限らず、我々が日々触れている情報にも当てはまることでもある。
株式会社ロマンシングの件では、ファイルの使用履歴などが公開され、それにより批判を受けている人がいる*1。しかし、その漏洩したと思われている使用履歴は、本当に間違いないものなのだろうか。
株式会社ロマンシングが個人の情報を取得し、国際著作権機構なるサイトにその情報を公開した理由は、おおよそ想像がつく。被害者にプレッシャーをかけるため、ユーザから不正に入手した情報を一般に公開し、一刻も早い対処を必要とする状況を作り出す、つまり削除要請を出させ、金銭を支払わせるだろう。
引っかかったユーザにとって「一刻も早い対処を必要とする状況」を作り出すことが必要だったのであり、実のところ掲載されている情報が真実であるか否かはさほど重要ではない。むしろ、「一刻も早い対処を必要とする状況」を作り出すためならば、偽りであってもよいのではないか。
たとえば、学校関係者であることが伺われる行動履歴を取得した場合、そこに児童ポルノファイルを加え、公開するといったこともできるだろう。それにより、対処の緊急性は増すことになる。
株式会社ロマンシングがそのような細工を施していたかどうか、それはわからない。ただ言えるのは、株式会社ロマンシングは信用ならない、ということ。これは詐欺のみならず、ある特定の個人の社会的抹殺を狙うような輩も同様の手口を使うかもしれない*2。
rh-kimata 本件がどうであるか知らないけど、"校長がウィルス暴露→学校関連資料が流出→第三者がロリコン画像を混ぜて再放流" なんて方法でウィルス暴露から社会的抹殺コンボとか出来たりするのだろうか
はてなブックマーク - 木俣ロバート久のブックマーク
Antinny系の暴露ウィルスでも、こうした可能性は否定できるとは思えないんだよね。前回のエントリにも書いたように、ファイル共有ユーザだけに特有の問題ではなく、万人に起こりかねないことでもある。たとえ、インターネットを利用していなくとも。
そういう意味でも、悪意を持って流された情報を嬉々としてネタにするってのは、避けた方がいいんじゃないの?とは思う。知らぬ間に加担していた、なんてこともあり得るし。極端な言い方をすれば、株式会社ロマンシングのケースでも、大騒ぎになることで、「一刻も早い対処を必要とする状況」をさらに強めることにもなっているわけでさ。
■ Winny、Shareウィルスを利用した著作権詐欺に注意
■ Winny、 Shareウィルスを利用した著作権詐欺に注意 その2
■ Winny、 Shareウィルスを利用した著作権詐欺に注意 その3
■ Winny、 Shareウィルスを利用した著作権詐欺に注意 その4
*1:もちろん、情報漏洩、機密情報の持ち出しに対する批判はまっとうなものであると思う。
*2:株式会社ロマンシングのようなやり方をすれば、不特定多数を引っかけつつ、ターゲットだけに不適切な情報を付与し社会的地位を貶めるということもありうる。