英音楽ロイヤルティ徴収額が微減:CDが売れず、デジタルも伸び悩み

英国著作権管理団体PRS for musicが、2010年のロイヤルティ徴収額に関する統計を公表してたのでご紹介。

全体


Headline
  • 徴収額は6億1120ポンド、2010年から1.1%減。
  • 録音メディアからの徴収額は8.8%減。主にCD/DVDの冷え込みによる。国内の景気低迷、合法/違法デジタルメディアへのシフトが進んだため。
  • 合法デジタルサービスの成長が鈍化、徴収額は4.3%増。更なる成長のためは、適法サービスによる違法サービスの駆逐が必要。
  • 商業ラジオ、広告市場では2.1%増。
  • 国外での使用は2.1%増。世界155カ国より徴収。
管理コスト
  • コスト削減、効率化に力を入れた結果、700万ポンドの徴収額減少はあったものの、作詞作曲家、音楽出版社に支払われる額は、80万ポンド減に収まった(2010年分配額は5億4790万ポンド)。

テレビ・ラジオ・オンラインサービス

  • 全体としては微増(0.4%)。オンラインサービス、ラジオの徴収額増のため。
  • モバイルユーザがスマートフォンに移行しつつあるため、着信音配信が低迷。

インターナショナル

パブリック・パフォーマンス(演奏)

  • 2009年より0.5%(80万ポンド)増。低成長は、国内景気低迷の影響か。
  • ライブミュージックは6.7%減。FIFA 2010 World Cupが開催され、大規模ツアーも少なかったことが影響した。フェスは依然、UKライブ・シーンの重要な部分を占める。

録音メディア

  • エンターテイメント/DVDは微減に留まったものの、他の領域は大幅減。消費者のフィジカル製品離れが進んでいる。
  • CD購入の減少に伴い、CDからの徴収額は780万ポンド(8.2%)減。
  • covermount(新聞、雑誌につく付録ディスク)も減りつつある。

コメント

CDが低迷し、オンラインサービスが伸び悩んでいるのは、世界同時進行といった感じ。ワールドカップが音楽ライブに与える影響というのは、言われてみれば確かにそうか、と。これも世界中で夢中になっちゃうイベントだものねぇ。

Ringtunesの半減には驚いたが、ケータイからスマートフォンに移行したユーザがどの程度オンラインサービスを利用しているかを加味しないといけないかなと。音楽配信=着うたフル状態の日本では、スマートフォンへの移行は英国よりも大きな変化を生み出しそう。