ウルトラマン著作権侵害訴訟、円谷プロがタイ最高裁で全面勝訴

 ティー・ワイ・オーは、同社子会社の円谷プロダクションが円谷チャイヨーを相手取ってタイで起こしていた「ウルトラマン」の著作権侵害訴訟で、全面的に主張が認められたと発表した。

ウルトラマン著作権侵害訴訟、円谷プロがタイ最高裁で全面勝訴 - 日経トレンディネット

海外での著作権管理に関しては、これまで数多くあったのだけれど、これもその1つなんだろう。親会社であるティーワイオーの発表(PDF)によると、円谷プロと被告(円谷チャイヨー)との間には一切の契約関係は無いとしていることから、契約書類を偽造して勝手にキャラクタービジネス等を行い、偽造した契約書とビジネスの既成事実を持ってゴリ押ししていた、というところなんだろう。
これまでの経緯:1997年のタイIP&IT裁判所(知的財産権&国際通商裁判所)への提訴、2000年4月の第一審判決(円谷プロ著作権者であることは認められたものの、初期ウルトラマン9作品が契約によって被告に譲渡されていると判断されたとのこと)、2000年7月に被告の所有する契約書が偽造である証拠と共に最高裁判所に上告、そして2008年2月にようやく勝利を収めた。
ほぼ10年。確かに円谷プロが勝訴したことは喜ばしいことなのかもしれないけれど、あまりに時間がかかりすぎたなぁという印象。もちろん、時代が経過し、よりこうした国際的な紛争が目に見えるようになって来ていることから、この手の公式を騙る海賊版に対する判断がより迅速なものになるといいんだけどなぁ。
余談だけれど、nikkeiTRENDYの記事で

円谷チャイヨー代表取締役ソムポーテ・センドゥアンチャイ氏に対し、損害賠償金1070万バーツ(約3466万円)と、訴訟提起日(1997年12月)から損害賠償支払完了まで年利7.5パーセントの利息を円谷プロに支払うよう命じた。

となっていた部分(太字は引用者)、当初は「損害賠償金1070バーツと」となってたみたいね(はてぶコメより)。現在は訂正されているけれど、損害賠償金が3000円程度だったら、泣くに泣けないわさ。

〈海賊版〉の思想‐18世紀英国の永久コピーライト闘争

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