ポルノコンテンツは「2〜3分で事足りる」:ポルノ産業、ビデオ共有訴訟に参加か

 米Viacomのサムナー・レッドストーン会長と世界最大のハードコアポルノビデオ制作会社の創設者兼社長であるスティーブ・ハーシュ氏との間に、どのような共通点があるのだろう? 両者の共通点はレッドストーン氏が考えるより多いのかもしれない。

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という感じで、YouTubeを訴えるViacom、PornoTubeを訴えるVividという、コンテンツ企業対ビデオ共有サイトという構図でその類似点を挙げている。なかなか面白い。
で、この記事で気になったところとしては、

 米ノースカロライナ州に拠点を置くPornoTubeにコメントを求めたが、返答は得られなかった。だが対YouTube訴訟でViacomを批判している向きと同様、Vividに対して批判的な向きは、「こうした動画共有サイトで提供されているポルノの大半は素人が作成し、配布しているものだ」と主張している。また、「著作権で保護されているコンテンツがあったとしても、それはVividにとって貴重なプロモーションになっているはず」という。ハーシュ氏はこのどちらの主張にも異議を唱えている。

 「2〜3分もあれば十分だ。ハードコアポルノを2〜3分間見てから、わざわざその動画をフルで購入しようと思う人などいない。それに、こうしたサイトを見てみると、やはり著作権で保護されたコンテンツがかなりの量を占めている」と同氏。

「2〜3分もあれば十分だ」というところに、ちょっと吹いてしまったのだけれども、良く考えてみると笑えない話でもある。彼の言うところの2〜3分(個人差はあるだろうが)を超えて、コンテンツを求めるという人はいないだろう。もちろん、広告効果が無いとは言い切れなくて、ポルノコンテンツと言えどもその好みには個々人のテイストが反映されるだろう。そうしたときに、ロゴ等のヒントが潜んでいれば、その頻度によってはそのプラットフォームに魅力を感じるかもしれない。彼は「今後はVODに期待できるが、とはいえ無料サイトが相手では戦えない」というが、利便性や品質ではポルノビデオ共有サイトはそれほど良いとも思えない。そうしたところでは、競争することは可能だろう。
ただ、だからといって、ポルノビデオ共有サイトを野放しにしておくこともできない、というところなのだろう。削除通知に応じることで責任を回避できる状況を打破したいという意図も理解できる。理想を言えば、コンテンツプロバイダとビデオ共有サイトが協力して、精度の高いフィルタリングシステムを構築するのがよいとは思う(それを促すための訴訟というところもあるのだろう)。
ただ、その努力と同時にそうしたビデオ共有サイトなどに対抗できるサービスの提供も求められるだろう*1。その目的のために、ビデオ共有サイトを利用してやろう、という意気込みがあってもよいと思う。
この件で考えさせられたのは、コンテンツの特性、かなぁ。音楽は一度接触したところで、その魅力が失われることは無い。むしろ、接触することで魅力を増す。一方、映画やドラマなどのコンテンツは、一度見れば十分、という人が少なからずいる(更に言えば、ドラマは連続してみせる必要がある、ということも)。そして、ポルノコンテンツは済んでしまえば用済み、という人が大半だろう(もちろん、しばらくすれば欲しくてたまらなくなるのだろうが)。
そうしたコンテンツの特性とこの時代のメディアの特徴をうまく考慮した戦略を築くことこそ、これからの時代の成功を掴むのかなぁと思うのだけれどもね。

*1:しばしば勘違いされるので一応補足しておくと、そうしたサービスを提供していないのだから、ビデオ共有サイトにしてやられてもしょうがないだろう、ということではない。現実として、そういう状況があるのだから、それが収まるまで待つのではなく、それをに打ち勝つような戦略も必要だということ。