とりあえず押さえとけっていう10のBitTorrentクライアント/サービス
これまでBitTorrent界隈を眺めてきて、これは気になるな、押さえとかなきゃなっていうBitTorrentクライアント、BitTorrentダウンロードサービスを紹介してみる。基本的には好みやスタイルの問題なので、これが鉄板というのはないかも。
uTorrent(Win)
世界で最も利用されているBitTorrentクライアント。売りは軽量かつ必要最低限な機能を網羅しているところにある。私が主に利用しているクライアントでもある。ただ、日本での人気はBitCometのほうが上。
現在はWindows版のみの提供ではあるが、近日中にMac版のリリースが予定されている。こちらも軽量なクライアントだとの評判が立っており期待したいところ。また、uTorrentがBitTorrent Inc.に買収されて以降、BitTorrent Inc.が提供する公式クライアント(Mainline)もこのuTorrentをベースにしている(Mac版、Linux版はuTorrentベースではないが)。
BitComet(Win)
欧米圏ではそれほど高い人気ではないのだが、アジア圏では高い人気を誇るBitTorrentクライアント。日本でも最も人気の高いBitTorrentクライアントだろう。個人的な印象としてはuTorrentほど軽くはないが、Vuzeよりは重くない、というところ。もちろん環境によって異なるので、一概には言えないのだが。また、BCリンク(bc://bt/で始まるリンク)によって、DHTネットワークからTorrentファイルを入手するという独自仕様があり、この形式はBitCometでなければダウンロードできない。
uTorrent、Vuzeの追随を許さないBitCometの最大の利点としては、日本語で書かれた解説、Tips、FAQが多いということ。日本語の公認サイトもあり、掲示板も活発に動いている。何か困ったことがあっても、ほとんどのことは解決できるだけの蓄積がある。
Vuze(旧Azureus)(Win/Mac/Linux)
かつてはAzureusとして呼ばれ高い人気を誇ったBitTorrentクライアント(青いカエルのロゴだけは継承してるが)。Javaベースであるため、上記2つのクライアントとは異なり、Mac版、Linux版が存在する。ただ、Javaベースであるために上記2つより重い、という欠点もある。
特徴としては多彩な機能を有しているという点だろうか。また、プラグインを追加することによってさらに多くの機能を加えることもできる。
本日リリースされたバージョン4.0では、Torrent検索ボックスが付加され、UIもより直観的にわかりやすいものとなっている。また、Vuze HD Networkという商用機能も搭載しており、HDコンテンツのダウンロード/ストリーミングを楽しむこともできる(サイドバーに広告が出るけどね)。ただ、この機能は純粋なBitTorrentダウンロード/アップロードを求める人には不要かもしれないが(ただ、以前ほど邪魔ではなくなったし、暇つぶしにはちょうどいいかもしれない)。
Transmission(Mac/Linux)
uTorrent同様にシンプル、軽量かつ必要最低限の機能を備えているBitTorrentクライアント。現在、Ubuntuにもデフォルトで搭載され、Macユーザにも人気が高い。Macにて利用可能なBitTorrentクライアントでは、開発が継続され、必要最低限の機能がそろっているものは多くはなく、それゆえに高い人気を集めているのだと思われる。ただ、Mac版のuTorrentが登場し、それがこう評価を得ることになれば、現在のポジションがどうなるか、というのは気になるところ。
Deluge(Win/Mac/Linux)
クロスプラットフォームのBitTorrentクライアント。それほど有名ではないが、使い勝手は悪くない。基本的な機能以外はプラグインとして追加する形をとっているので、自らのスタイルに合わせた使い方ができる。不要な機能を持ちこまないことで、リソースを節約することができる。とはいえ、使いこなすほどまでには使っていないので、詳しくは以下のSourceForgeの記事を参考にするとよいかも。
rTorrent(Mac/Linux)
完全に一般向けではないのだけれど、一応。ncursesベースのBitTorrentクライアント。詳しくは以下の記事を。
BitLet(Win/Mac/Linux)
BitTorrentクライアントをインストールしなくても、ブラウザ上のJavaアプレットにてダウンロードが可能になるサービス。簡単にいえば、JavaアプレットでBitTorrentを機能させるというもの。たとえば、BitTorrentがインストールされていない環境でも、.torrentファイルのURIを指定する、ローカルの.torrentファイルを読み込ませることで、ダウンロードが可能となる。
BitTorrentサイト上から直接BitLetにTorrentファイルを読み込ませるブックマークレットが提供されていたり、BitLetを利用したBitTorrentストリーミングが可能となっていたり、なかなか興味深いツールである。ちょっと詳しくは以下のリンクから。
TorrentRelay(Win/Mac/Linux)
こちらもBitLet同様に、Webブラウザ上でTorrentファイルからダウンロードが可能となるというものなのだが、BitLetとの違いはBitTorrentダウンロードを行うのがTorrentRelayのサーバ上ということ。たとえば、BitTorrentプロトコルを制限しているような環境ではBitLetは利用できないのだが、TorrentRelayは、BitTorrentダウンロードをTorrentRelayが行った後に、ユーザのPCにhttpで転送してくれる。なので、後者はたとえBitTorrentプロトコルが制限されている環境でも利用可能となる。
ただ、いくつか制限があって、1日に3つの.torrentまでしか利用できない(同時ダウンロードは2つまで)、ファイルサイズの上限が800MB、TorrentRelay上でのダウンロード速度が500kbps(ローカルへのダウンロードはもっと早い)となっている。ただ、月額9.99ドルの有料サービスを利用することで、こういった制限は緩和される。非常に面白いサービス。詳しくは以下のリンクより。
Miro(Win/Mac/Linux)
Miroはどちらかと言えば、BitTorrentクライアントというよりは、RSSを利用したビデオプラットフォーム/インターネットTVというところかもしれない。 RSSを利用して配信されるビデオを集約し、そこから好きなチャンネルを選び購読したり、YouTubeやVeoh、Dailymotionといったビデオ共有サイトを検索、ビデオのダウンロードも可能(キーワードを指定すると、それに当てはまるビデオを自動的にダウンロードしてくれる機能もある)。いったんサブスクリプション登録するとあとは勝手にバカスカ落ちてくるので、欲張りさんはとんでもないことになりかねないが。
転送にはBitTorrentが利用され、人気コンテンツであればあるほど、より高速にダウンロードされることになる。また、Torrentファイルを読み込ませれば、BitTorrentクライアントとしても利用できる。「BitTorrentのRSSをMiro用に変換(仮) 」なんてページもあったりして、用途はいろいろとあるのかも。
Tribler(Win/Mac/Linux)
こちらも、Miro同様にBitTorrentダウンロードが可能だけれど、むしろそれ以上にソーシャルな機能をフィーチャーしている。コミュニティでファイルを共有したり、コミュニケーションを楽しんだり、ユーザの視聴行動から自分が好きになるであろうコンテンツをレコメンドしてくれる、といったソーシャル機能を持つ。
簡単にまとめると…
さっくりダウンロードできればよいです
…Windows:uTorrent、BitComet
…Mac/Linux:Transmission
サーバのリソースを持て余す
…r Torrent
BitTorrentはそんなに使うあてはないけどたまに必要かも
…BitLet、TorrentRelay
コンテンツプラットフォーム+BitTorrentクライアント機能って面白そうかも
…Vuze、Miro、Tribler
ってとこでしょうか。
まだまだ物足りないよって方は、以下のリンクへGO。