Winnyウィルス作成者に懲役2年を求刑
検察側は「自己顕示欲に基づく計画的で悪質な犯行」として懲役2年を求刑した。弁護側が刑の執行猶予を求め結審。判決は5月16日。
ウイルス作成院生に2年求刑――京都地裁で結審、来月16日に判決 | 日経ネット関西版
論告求刑に先立ち、検察側は、写真や住所を無断でネットに流された同級生の父親が「自宅に不審電話がかかるようになり、妻はノイローゼ寸前まで追いつめられた。引っ越しや改姓を検討した」と厳重処罰を求めていることを明らかにした。
ウイルス作成:院生に懲役2年求刑 京都地裁公判 - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース
著作権侵害以上に、名誉毀損のほうがかなりの損害を与えているようだ。
このケースに名誉毀損をプラスしたというのは、検察にしてみればこのほうが有利に働く、という感じなのかな。
弁護側は最終弁論で「軽微な事件にもかかわらず、大きく報道され、社会的制裁を受けた。感染者はウィニーの使用者に限定され、結果は重大とは言えない」と情状を酌むよう訴えた。
ウイルス作成:院生に懲役2年求刑 京都地裁公判 - 毎日jp(毎日新聞)
とはあるものの、実際に被害を受けている名誉毀損の被害者の側の弁を考えると決して軽微ではないんじゃないかなぁ。被告は「遊び感覚だった。写真を使用した同級生が警察に通報するという話を聞いて危機感を持ち、代わりにアニメを使った」というものの、それによって被害者の家族に引き起こされた出来事は遊び感覚の代償としてはあまりに大きいように思える。
被告は被告人質問で、「ネットの掲示板を見て、ウィニーの利用者は遊び半分で映画やアニメを無断でダウンロードしていると思った」とウィニー利用者への不信感をにじませた。さらに、「映画やアニメがウィニー上で無断でダウンロードされることが続けば、(テレビ局は)映画やアニメを放送しなくなってしまうと思った」と述べた。
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遊び感覚でダウンロードされることで、映画やアニメが見れなくなる、と思い込んでいる割には、自分も遊び感覚で著作権侵害、名誉毀損をしているというのは皮肉なところ。
ただ、この事件に判決が下されたとしても、それによって何かが変わるということもないのだろうなぁと。この事件にしても、本当は「ウィルスをばらまき、多くの人のPCに被害をもたらした」ということを罰したいはずなのに*1、結局はものすごく遠回りしている。このケースだけに通じる手法を用いて検挙することはできたものの、同様の要素を持っていないウィルスが大半であることを考えると、依然として対処し得ない状況が続く、ということだろう。