Jerichoファン、打ち切り撤回を求め再び立ち上がる
米国CBSが放送していたテレビドラマシリーズ、Jerichoにはそのドラマの外側に、非常に面白いドラマが存在する。
Jerichoに起こったことというのが結構面白い。今年*1の5月、テレビネットワークのCBSがJerichoというテレビシリーズの打ち切りを発表したのだけれども、熱狂的なJerichoファン達はそれに納得できず、CBSに対して抗議を始めた。そのときの手法というのが非常に面白くて、方々で紹介されることになったのだけれども、彼らが行ったのは、CBSに対してナッツを送りつけることだった。
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Nutsには、「クソ喰らえ!」という意味があるのだけれども、これはJerichoファーストシーズンのファイナルで登場人物が放った言葉からの発想のようだ(もともとは第2次大戦中、バストーニュの戦いにおいて圧倒的不利にあった第101空挺師団に対し、ドイツ軍が降伏勧告を行ったときの第101空挺師団長代理アンソニー・マコーリフの返答がネタ元らしい。私の好きなテレビドラマシリーズ『バンドオブブラザーズ』のエピソード6にもこの辺のくだりが登場する)。
とまぁ、ナッツを送りつけられ、ファンからの度重なる復活希望にこたえる形でCBSはドラマを再開することにしたようだ。更に、この件に関しての謝罪広告をGoogle Adwordsで行ったというのも非常に斬新で面白いものだった。更には番組クルー達や出演者達までもが、ファンに感謝し、YouTubeに「Thank You Fan Reel」というクリップをアップロードし、スタッフ・出演者総出で、ファンへの「ありがとう」を口にした。
こうした経緯を経て、シリーズが再開されたものの、視聴率は低迷、再びシリーズ打ち切りとなってしまった。
そうした状況に対して、再びJerichoファンは立ち上がった。
彼らはSaveJerichoAgain.comというサイトを立ち上げ、世界中のJerichoファンに呼びかけ、6,000ドル以上の資金を集めた。そして、それを元に、Jerichoを救うためのCMをながすのだという。この30秒CMは、6月12日より10日間にわたって、SciFi Channel、Discovery Channel、History Channelなど複数の番組で、200回以上放送されるとのこと。
ちなみに、こんなCM。
これはファンが製作したものなんだとか。なかなかすごいよね。
さて、そのアピールを受けるCBSだが、こうした動きにはそれほど関心を示さないかもしれない。第2シーズンの放送を決断した際にも、これだけ熱心なファンがいるのだから、という期待もあったのだろうが、その読みが外れたというところにその理由を求められるだろう。
Jerichoとは別に、打ち切りになったシリーズ復活への嘆願に対しても、「多くの熱狂的なファンがいる、しかしそれだけでは実際のファンの数を判断するのは難しい」、そしてそのような考えに至るのも、Jerichoの実験に失敗したからだ、とCBSのボスが言っているように、Jerichoに対しても*2打ち切りの決定を変える見込みは少ないのではないか、と思える。
でも、こうしたファンの粘り強い試み自体は非常に興味深い現象だよね。
(via NewTeeVee)