えーと、「レイプレイ」で逮捕したんでしたよね?

今月初めに「レイプレイ」の無修正改造版をファイル共有ソフトShareを使って流通させたとして、男性がわいせつ物公然陳列容疑で逮捕された件の続報。

これについては、日本では確実にアウトであろうわいせつコンテンツがWinny、Shareネットワーク上にゴロゴロしている中で「あえてレイプレイ」をターゲットにした恣意性について色々と書いているので良かったらそちらもどうぞ。
性暴力ソフトだから槍玉にあげられたのならあまりに恣意的すぎる - P2Pとかその辺のお話@はてな

閑話休題YOMIURI ONLINEによれば、

京都地検は同日、福沢容疑者のわいせつ物公然陳列容疑を処分保留とした。

裏「性暴力ゲーム」をネットに…男を再逮捕 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

とのことで、無修正改造版レイプレイを流通させていたことに対するわいせつ物公然陳列容疑は処分保留となった。ほんと、京都府警さん何がしたいの?と思わないでもない。

ただ、これで一件落着というわけではない。やはり逮捕までしておいて処分保留では都合が悪いらしく、この容疑者の男性に対する新たな容疑が探し出された模様。京都府警の調べにより、この男性が「児童ポルノ画像など5000点以上をネットに流していたこと」が判明したのだそうだ。

福沢容疑者は動機について「ファイル共有ソフトの世界を活性化させたかった」と供述。府警は29日、児童ポルノ画像など47点を流出させたとして、児童買春・児童ポルノ禁止法違反などで再逮捕した。

裏「性暴力ゲーム」をネットに…男を再逮捕 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

児童ポルノ画像など5000点以上」と言いつつ児童ポルノそのものは47点。残りの4953点以上はなんだったんでしょうね。まぁ、処分保留になったっていってるのに「裏「性暴力ゲーム」をネットに…男を再逮捕」なんてタイトルをつけてるくらいだから、推して知るべしというところなのかもしれないが…。それでも、MSN産経では「約5年前からファイル共有ソフト「シェア」や「ウィニー」で、約5千のわいせつ動画ファイルを配信していた」「再逮捕容疑は7月8日、シェアを使い、わいせつ動画など47ファイルをインターネットで配信し、不特定多数が見られるようにした疑い」とあるので、ネットワーク上で確認されたのが7月8日の47ファイルだったというだけで、他にも児童ポルノが5000点の中に含まれている可能性もあるのかもしれないが…。

それはともかくとして、レイプレイでのわいせつ物公然陳列容疑はうまくいかなそうだったが、うまいこと児童ポルノを配付目的で所持していたことが判明したので、有罪に持っていけそうな児童ポルノの方に容疑を切り替えました、というところだろうか*1

ほんと、児童ポルノの単純所持規制が怖いですね!*2

で、もう1点気になるところとしては、処分保留となった無修正改造版レイプレイのアップロードにしても、今回の児童ポルノのアップロードにしても、逮捕された男性が意図的にアップロードしたのか、ということ。それらのファイルがダウンロード後にキャッシュフォルダに留まったままだったのか、それとも男性が自らアップロードフォルダに入れたのか。前者なら、キャッシュ保持でもアウト、ということになりそうな予感もするが…。

余談

再逮捕された男性は、Share、Winnyにファイルを流していた動機について、

ファイル共有ソフトの世界を活性化させたかった」
(中略)
ファイル共有ソフトの世界は違法ファイルを公開する者がいてこそ成り立つ。大量に流して活性化させる使命感があった」

裏「性暴力ゲーム」をネットに…男を再逮捕 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

と供述している。ずいぶんとかっこいいことを言ってるが、扱っていたファイルを考えるとなんとも馬鹿らしく思えるためか、ある種ネタとして捉えている人もいる。ただ実際、ファイル共有ネットワークではファイルを放流するとか、キャッシュを保持する*3人が当たり前にいて成り立っている。そういう人に「なぜ共有をしていたのか?」という問答を小一時間以上続ければ、こういう発言を引き出せるわけでさ。

*1:イリュージョンが著作権侵害での告訴に踏み切ってくれるとの算段だったのかな。

*2:まんじゅうこわいメソッドではない

*3:BitTorrentで言えばシーダーを続ける