WinMXは死んだのか
WinMXは現在、開発元のFrontCode社が開発、運営から手を引いたことから、デフォルトの状態では利用できない状態にある。しかし、WinMXWorld.comといったボランティアの集団が、代理サーバを立ててWinMXネットワークを復活させ、その運営を行っており、ユーザはWinMXWorldの配布するDLLを利用して代理サーバに接続することが可能となっている。
FrontCode社が運営から手を引き、WinMXWorldがその跡を継いでから3年が経った今、WinMXコミュニティはどうなっているのか、という概説をSlyckが記事にしている。
復活したWinMXネットワークがどうであって、どうでないのか、それを理解することは重要だ。復活したネットワークは、みんなが覚えているような在りし日のものと同じ場所ではない。そのピークの頃、WinMXはいかなる時点においても、常に100万人以上の同時接続ユーザを誇っていた。FrontCodeが去って久しい今、現在のWinMX人口を知ることは不可能である。しかし、WinMXWorldよって収集された統計によれば、WinMXは20万人以上のユーザを抱えているという。
Slyck News - You mean WinMX still Works?
この20万人という人口が多いのか、少ないのかは一概には判断しえないが、それでも既に開発元が運営を停止している状態にありながら、依然としてこれだけの人口を抱えているというのは驚きだ。
日本では、WinnyやShareに大半のユーザが流れてしまったであろうし*1、海外でもその後現れてきたFastTrack(Kazaaなど)やGnutella(LimeWireなど)、eDonkeyなどがトップファイル共有プロトコルの座につき、現在その座はBitTorrentが有しているのだろう*2。
ただ、既にファイル共有の手段としてメインストリームにはないかもしれないが、Slyckは、それでもなお数多くのMP3が共有されるネットワークであり、FrontCodeの撤退により一時はゼロとなったユーザを20万人規模にまで押し戻したのだとしている。
余談
特にこれを持ってWinMXオススメだよ!などと言うつもりもない*3。Slyckでも「もし奇跡を期待しているのであれば、多分、他所を当たったほうがよいだろう」と述べられている。少なくとも、現在のファイル共有コミュニティは、WinMXが全盛期を迎えていたころのファイル共有人口を遙かに凌駕しており、そして、現在のWinMXコミュニティはかつて全盛期だったころの1/5ほどの人口を有するのみである。
*1:当時のユーザの多くはファイル共有をやめてしまっているかもしれないが
*2:地域によってはeDonkeyが盛んなところもある。日本ではWinnyやShare、PDが強いように
*3:かといって他を進めているわけではないが、合法的用途としてはBitTorrentが現在では最適であるという点でBitTorrentをオススメしておく。